ぷにぷに大爆走!ログ

□ふつかめ
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どんがらがっしゃん、ばたん、パリーン!
この世の全ての騒音を集めたかのような音が聞こえて、
あたしはバッとベッドから飛び起きた。
「…ッ、何事!?」
下の階が何やら騒がしいので、
如何やら事が起こっているのは下の階らしい。
敵が現れたのなら、こうしちゃ居られないと、
急いで身支度を整え、双剣を装備し…ようとして、
その双剣の重みが何時もと違う事に気がついた。
「…そうだった…今のあたしは小さくなっちゃってるんだった」
見れば、あたしの手は紅葉のように小さい。
こんな手では、双剣など持てる筈もなく。
せいぜい両手で双剣のうちの一つをやっと持てるくらいだった。

…敵が現れたのなら、あたしが下の階に降りてしまったら
逆に皆の足手まといになる。迷惑になる。
だから今は、悔しいけれど、セイロンが帰って来るのを待とう。

「……ッ!」

悔しさに歯を痛いほどかみ締めた。その時だった。
バタ――――――ンッ!
突然、あたしの部屋の扉が勢い良く音を立てて開いた。
それと同時に、何者かが踏み込んで来る。
ハッとして身構えて、踏み込んで来た人物の確認をする。
その人物は、男。
長く赤い髪を垂らして、それよりももっと長い悪趣味なマフラーを首に巻き、
どこぞの戦隊モノかと思わせるようなスーツを纏い、
そしてこれまた長いコートを羽織っている。そして極め付けに目にはダテ眼鏡。
「……相変わらずだっさいね、ギアン」
そう。あたしの部屋に踏み込んで来たのは、
紛れも無くあたし達の敵、ダサさの代名詞と言っても過言ではない、ギアンだった。




ぷにぷに大爆走!〜若様と怒涛のいっしゅうかん〜
ふつかめ:ギアン・パニック
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