GOGO!ちびセイロンくん!
□ごじつだん
1ページ/1ページ
後日談。
シャオメイちゃんは、セイロンが元に戻ったことを報告すると、心底つまらなそうな顔をしていた。
セイロンが小さくなっていた三日間。極力他の仲間たちには会わないようにしてたから、色々と問い詰められたりもしたけれど、セイロンが「修行の旅に出ていた」と真面目に言うと、何だか言いようのない説得力があったらしく、皆納得してくれたようだった。(なんで?)
これで、全て元通り。
いつもどおりの生活が、再び戻ってきたのだ。
あたしは、今更だけど、ちょっとだけ惜しいと思っていた。
「小さいセイロンも可愛かったのになあ…」
セイロンに、聞こえるか聞こえないかの声でぼそっと言うと、セイロンにはきちんと聞こえていたらしく、セイロンはふむ、と唸った。少し考え込んでいたかと思えば、セイロンはおもむろにあたしを抱きしめた。
「ひえッ!?」
だからそういうことは突然やらないのー!と抗議の声も無視して、セイロンが言った。
「そんなにも子供が好きなのであれば、我とそなたの子を産めば良いであろう」
それは、満面の微笑みだった。
嘘は一言も言っていません、という素晴らしく爽やかな、笑み。
「え、ちょ、待って、セイロンッ?」
その満面の笑みが、あたしの顔に近づいてくるもんだから、あたしはより一層慌てて。
「ちょっと待ってって言ってるでしょーーー!!!!」
と言いながら軽く突き出した拳(巷では右ストレートとも言うらしい)でセイロンを卒倒させたのだった。
あたしが「ちびセイロン」に再び会える日は、まだまだ、先のことらしい。
めでたしめでたし!
GOGO!ちびセイロンくん!【完】