短篇

□先輩?後輩?
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「うっ、確かに…」

事実を確かめられず気落ちしたままの望美は今日の授業を終え、家の前まで帰ってきた。すると丁度隣りの家から譲が出てきたのだった。

「ゆ、譲君。」
「こんにちは。」

実は高校に上がってからは中学生の譲となかなか時間が合わず、こうして話す機会も薄れていた。更に将臣と受験校の話をしていた矢先に会ったので酷く動揺してしまった。そんな様子の望美を譲は変とは思わず愛しい者でも見つめるように笑っていた。

「これから出掛けるの?」
「はい。勉強を兼ねて友達に貸したノートを返してもらいに。」
「大変だね、受験生は。……ねぇ、譲君はどこ………」
《♪〜〜♪♪♪》

良い機会だからと受験校の事を聞き出そうと思ったのだが譲の携帯が鳴り、失礼しますと言って電話に出てしまったので会話は途切れてしまった。

「すみません、話の途中で。…先輩、何か言いかけていましたけど何ですか?」
「ううん、何でもない。…勉強頑張ってね!!」
「ありがとうございます。」
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