短篇

□この気持ちをなんと呼ぼう
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「譲君の部活姿、初めてだなぁ♪」

冬休みのある日、望美は譲の部活姿をこそっと見ていた。あの世界でもそうだったがやっぱり凛としていて目を奪われる。部活仲間も同じなんだと思う。譲が構える間は誰も隣りに立とうとはせず見惚れている。

「有川君がここに立つと空気が変わるよね。」
「澄んだ感じになるよな。」
「譲、腕を上げたんじゃねぇの?俺の型を見てくれよ!」
「あ、私もお願い!」
「そんな事ないです、先輩方。俺もまだまだですよ。」

謙遜して答える姿がらしいなぁ何て思っていたが、不意に心の中に空白ができたような気持ちになりその場をあとにした。


「…………ぱい?春日先輩!?」
「はいっ!……あれ?譲君どうしてここに?」

駅まで来たのは覚えていたのだが椅子に座って電車を待つ間、考え込んでしまったらしく随分と時間が経っていたようだ。

「今日部活だったんです。先輩は?」
「わ、私は学校に用事があって!!!」

部活を見に行っていたなんて言えなくて慌てて誤魔化す。
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