花束
□ある日の平家
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皆様、こんにちは。優雅を愛する私こと、惟盛でございます。
今日の平家は、情けない事に流行病に罹り、それも何故か男性だけに罹るというもので、臥せっている者が続々と出ております。
それは怨霊の敦盛殿も例外なく臥せっており、私も驚きを隠せないのです。
他にはどなたが臥せっておいでですかと?それは先程話した敦盛殿・知盛殿・重衡殿・経正殿、そして、口にもしたくない父上に似たあの人もです(以後あの人=将臣です)。
本来こんな平家の姿を、優雅な私が口にするのは遠慮したいのところですが、暁殿を巡っての攻防戦を誰かに話さずには居られず、現場解説させて頂きます。
えっ…私ですか?どうやら病より私の美が勝っている様で平気なのですよ。
「知盛さん、重衡さん入りますよ?」
おや、噂をすればなんとやら、暁殿の登場ですね。
別々の部屋の御二人ですが、看病しにくいという事で、同室となっております。
きちんと看病になるか、柱の陰から様子を窺いたいと思います。