花束

□あなただけ
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オレと椿姫ちゃんはオレの告白により、恋人同士になった!
些細な喧嘩をした事もあるけれど毎日が幸せ……………………………………………………な筈だった。

「おっ椿姫良い所に来たな。ちょっと付き合えよ」

(付き合うってどこに!?)

「あの…良ければ椿姫殿に笛を聞いて頂きたいのだが…」

(そんなの椿姫ちゃんじゃなくても良いじゃないっ!)

「椿姫さん、すみませんが買い物に付き合って貰えませんか?」

(暇そうな将臣くんを誘ってよ!)

「ねぇこれから遊ばない?」

(ヒノエくんの遊びには危険だよっ!?)

「椿姫殿、先程は助かった。またよろしく頼む」

(またって何!?)

「………あとで話がある。私の部屋に来なさい」

(どうして部屋なんですか!?)

………そう、これさえなければ。
彼女は気配り上手な上、聞上手なので他の八葉からも人気が高いのだ。

「………はぁ〜」
「あれ?そんな所でどうしたんですか?」
「あ、望美ちゃん!」
「悩み事ですか?」
「あ、まぁ、うん………」
「…あぁ、なるほど。大変ですね…。」

どうやら望美ちゃんはオレの視線だけで事態を把握したようだ。

「そんなに気になるなら邪魔しに行けば良いじゃないですか?」
「えぇー!そんな事したら大人気なくない?」
「そんな事気にしてるといつか鳶に椿姫さんをかっさらわれますよ!…あ、ほら!!!」

望美ちゃんが指を指す方向を見れば、椿姫ちゃんは弁慶と話をしていた。

「今、時間ありますか?ゆっくり椿姫さんと話がしたいのですが」

(…ねぇ弁慶、オレが見てるって知っててワザと椿姫ちゃんを誘ってるでしょ?)

「私も弁慶さんに相談したい事があったんです」

(えっ?!オレじゃなくて弁慶に相談事!?)

「では、行きましょうか?」

(こ、腰に手…ってそれは)

「ダメー!!!」
「かっ景時さん?」

びっくりしている椿姫ちゃんの手を引いてオレは自室へと向かう。
 
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