花束

□勘違い
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「これから薬草摘みに行くので手伝ってください」

にこりと微笑んで、篭を優希に渡す。
優希の意思を尊重しない言い方と、今は自分が話しているので、邪魔をしないで欲しいと告げようとしたが

「ちょっと待ってよ、弁け」
「おや、景時の用事は特別なものか何かなのですか?」

と言われてしまい、思わず口を噤む。
自分にとっては優希と過ごす事は大切な事である。
だが、戦で使う薬草摘みに比べたらなんてことはない。
そう思えば引き止められない。
その様子に弁慶は黒い笑みを見せる。

「さぁ、行きましょう」

弁慶は優希の背中を押して歩く。

「あ、あとで景時さんの部屋を訪れますから!」

後ろを振り返りながら言われ、景時は仕方なく手を振った。

一人残され、一つ、深い深ぁ〜い溜め息を吐く。
そして、最近の事を考えてみる。
どうも最近は弁慶に優希との仲を邪魔されている事に気付く。
ある時は良い雰囲気でやって来て、今の様に連れさらわれたり、またある時は、二人きりだったのにいつの間にか三人で居たりした。

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