花束

□陽気に誘われて
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こうしてのんびりできて、細やかな幸せを感じる。
離れた場所から怜霞の様子を眺めていると、何やらある種の花を集めているようだが良くは分からない。
痺れを切らした景時は、怜霞の言いつけを守れず側へと近付く。

「さっきから何してるの、怜霞ちゃん?」

大きな影が落ちてきたなぁと感じた瞬間にかけられる声。
気配を消して近付くのは軍奉行にとっては朝飯前。

「ひゃっ!!!」

思わずそんな悲鳴をあげて、手にしていた物を背に隠して声の主を見上げる。
驚く怜霞をよそに影の主は逆光を浴び、不思議そうな顔をしている。

「…待っていて下さいって言ったのに」
「だって待ってても帰って来ないからさぁ…」

寂しかったんだよと付け加え、その場に屈む。
シュンとした表情に苦笑を一つ零すと

「仕方ないですね…」

と背に隠していた物を差し出す。
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