花束

□兄の気持ち
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「カナ、少し良いですか?」
「はい」
「カナは…その…」
「何です、兄様???」
「カナは…リズ先生の事を………恋い慕って…いるのですか?」

間違いであって欲しいと願うが

「っ///」

顔を真っ赤にさせて俯く姿は恋する少女その物。

「………やはり、そうなのですね………」

弁慶はショックを隠せなかった。

「兄様?」

うなだれてしまった姿に心配になり声を掛ける。

「昔は良く、僕の後を付いて来て…僕のお嫁さんになると言っていたのに………」

畳に向かって呟き始める。

「兄様、そんな昔の事///」
「どうしてリズ先生なんでしょう…」
「だってリズ先生、兄様に良く似ているもの///」
「えっ?」

カナの思わぬ言葉に弁慶は顔を上げ、不思議そうにカナを見つめる。
カナは恥ずかしそうに頬を染めて理由を話す。

「色は少し違えど、日を良く通し輝くような綺麗な髪でしょ?それに力もあって、私を見る目がとても優しいもの。私の頭を撫でるあの大きな手の温もりも優しくて好き。―――ね、兄様と一緒でしょ?」

女の子は父親に似た人を好きになると言うが、まさか自分に似ているからだとは。
思いも寄らない告白に何も言えなくなっていると

「あ、リズ先生///…兄様、応援して下さいね♪」

視界の端にリズヴァーンを見つけたカナは、弁慶の言葉を聴くことなく愛しい彼の元に走って行ってしまった。

「…ぼ、僕はまだ認めてません!」

リズヴァーンが愛しそうにカナを見つめ、満更でもなさそうな態度に、弁慶は悔しそうに一人ぼやくのだった。




―おわり?―
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