文
□PLEASE KISS ME
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葉月様1600HITキリリク
人出・甘
なーソレと僕、
どっちを選ぶかなんて
一目瞭然だろ?
PLEASE KISS ME
「ちゅーしよーぜ、人識」
「嫌だ。黙れ、出夢」
「ぶぅー、冷たいなぁ、人識くんはぁ―――っ、そぉんなにお勉強が大事なんですっかー?」
人識は自分の勉強机の真後ろにあるベッドの上に、Tシャツ一枚で寝そべる出夢を睨みつける。
明日はテスト、邪魔はされたくない。
「お〜い、ちゅうだぞ、ちゅー。この可愛い僕とのちゅーだぞー?
…はっ、んだよ、そんなにお勉強が大事ですか。
殺人鬼が学校なんてマジ超ありえないんですけどー、ウケるーっ
おい、本当にちゅーしないつもり!」
「………」
人識は無視を決め込み、出夢を全く相手にしない。出夢とのキスは魅力的だが、何て言ったって明日はテスト。委員長に百点を取ると大見え張ってしまったのである。
だからここでやらないと後が煩い。
しかし、未だギャーギャー騒ぐ出夢は面白くない。
久しぶりに会いに来たのに、人識は自分の相手を全くせず勉強に夢中。
準備万端、用意万端で乗り込んだのに肩透かしをくらった状態である。
「…あー、暑い、暑いなぁー、服脱いじゃおうっかにゃー?」
「………」
出夢は上に着ていたTシャツを脱ぎ、人識の方へ向かって投げる。
勿論ブラジャーなど着けない彼は、文字通り下着一枚の姿になる。
《どぉーだ、人識、見たいだろ、見たいだろ!
女の身体を見たくなるのは男の性、こっちこい。そして僕に構え!》
が、予想に反して人識は投げ付けられたTシャツを掴み
「ふんっ!」
と、左右に破かれぽいっとゴミ箱に。
「は!?ちょ、何捨ててる訳!信じらんねぇ、何、何なんデスカーッ!!?僕にパンツ一枚で帰れっての、ちょっとーっ!!」
「うっ、るせ―――――――――――――――っ!
俺は明日テストなんだよっ、委員長と百点取るっつう約束してんだっつーのっ。お前少しは黙れ!」
凄まじい剣幕で怒鳴ると、人識は机に向かい直す。
《何ソレっ!?つーかイインチョーって何者な訳!
僕とのあっ、まぁ〜い夜より大切な約束ってどぅいう事なんだよっ》
出夢本人は気付いていないが、嫉妬の炎を燃やし闘争心が湧く。
「ちっ、こうなったら」