文
□Game
1ページ/6ページ
1700HIT 肉姫様キリリク
出+ぼく×人
「零崎って可愛いな」
「やっぱりおにーさんもそう思う?」
Game
「は?」
俺は怪訝に思いながら、欠陥製品と人喰いを見る。
「真剣にカード見てるのが可愛いな、と思って」
「ぎゃはは、やだなぁ。いつも可愛いって!」
「それもそうか」
「だろぉーお?」
可笑しな会話で盛り上がる二人を無視し、出夢の手にあるカードに目を落とす。
カードは二枚。
現在負けたら勝った者二人の言う事を何でも聞かなくてはならない、という恐怖のババ抜きをしている。
この二人には負けたくない、絶対に。何命令されるか分かんねぇし。
…何で勝負したかは、
聞かないでくれ…。
「早く引けよぉ。僕超暇なんですけどぉ?」
「分かってるっつーのっ!…コレだっ!……げっ」
「あ、JOKER引いてくれたの?ありがぴー♪」
「ぐっ」
俺が不覚にも引いてしまったのは、狐面の男が描かれたJOKER。自分の手札が二枚に増えてしまった事に、一抹の不安を覚える。
その間にあっさりと欠陥の残り二枚の手札から、一枚抜き取る。
「あ、ハートのQueenじゃん。やったね、出夢くん一等賞!」
「あちゃー、上がられちゃったか。じゃあ、残るはぼくと零崎だね」
ハイテンションにはしゃぐ出夢に淡々と喋る欠陥。
マズイ、俺は負ける訳にはいかない。
無言で俺は二枚のカードを差し出す。スペードのエース、そしてJOKERを。
欠陥も無言で俺のカードへ手を伸ばす。その指がJOKERに触れた。
やった!!そう思った瞬間。
「ダメだな、顔に出過ぎ」
ぷっ、と吹き出され、隣のスペードのエースを引かれた。
「はい、零崎の負け」
「ぎゃははははは、ウケルーっ、マジ顔に出てんのっ!」
「う、うるせーっ!」
俺は悔しさと恥ずかしさで、持っていたJOKERを床に投げつける。
「さ、罰ゲームしようか」
「まさか、約束守るよなぁ」
二人の顔が悪代官のようになっている。
「うっ、守るよ、約束守れば良いんだろっ。で、何すりゃ良いんだ」
パシリか、おごらされるとかか?…町内裸一周とか逆立ちとかはない、と信じたい。
はっ、まさか赤色に喧嘩売ってこいとかじゃねーよなっ!?
「え、何って」
「ナニだろ」
.