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□煌めく髪
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ふわりと目の前を通るもふもふの髪に目を奪われる

僕はその髪を持つ人を引き留めたくてその髪の先を掴んだ

「?…アクセル…
どうしたか?」

掴んだその手をゼロに逆に掴まれて優しく尋ねられた


「…何でもない」

上手く笑ったつもりだったのにゼロにはお見通しだったみたい

「ちゃんと話せ
怒りも笑いもしないから」

「…ゼロの髪…
綺麗だなぁと思って」

結局言っちゃった

見惚れてたなんて恥ずかしいから言えない

綺麗な金髪
長いのに手入れが行き届いていてとても男の人のそれとは思えない

「そうか?
俺はお前の髪の方が綺麗だと思うけどな」

「えぇ!?」

「量は丁度いいしサラサラだし
俺のは量が多いからな
結ってないと邪魔になるんだ」

 
ゼロはアクセルの髪を手櫛で解いて言った

「任務の時どうやって上げてるんだ?
こんなサラサラの髪」

「…う〜ん
結構苦労するけど…
ワックスで」

「なんでわざわざ?」

「…女の子と間違われるから…」

レッドに初めて会った時を思い出す

あの時は髪は下りた状態でレッドは僕を女の子だと思って助けたらしい

その後いろいろあって今の髪型になったんだけどセットするのには一時間くらいは掛かる


「…そうか
まぁ可愛いしなお前」

「ちょっ…突然そう言うのやめてよ…」

「悪い悪い
…おっと…任務報告がまだだった…
すまんな
後で会うか?」


突然ゼロがそう言うのを聞いて咄嗟に僕は首を縦に振った

「じゃあ終わったらアクセルの部屋行くから待ってろ」

「分かった
行ってらっしゃい」

 
笑顔で見送るとゼロは歩きながら手を挙げて返してくれた

僕はまたゼロの煌めいて揺れる金髪に目を惹かれて暫く動けなかった



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