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□狂気の愛
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恐怖に震える黒を抱きしめる
何に怯えているのか少し考えて自分だったことにすぐ気付く
自分の心に狂気があるのも、自分の考えてることが可笑しいのも知らないフリをする
目の前の愛して止まない人に自分だけを見せたくて
自分だけのものにしたくて
ふと殺したいとすら思った
「黒……
愛してる、殺したいくらい」
最後の単語に反応してか、ビクッと身体全体を揺らす黒がどうしてか愛しくて仕方ない
「……し…ろ……
殺さ……ないで…?」
怯える君の瞳の近く
浮かぶ涙を掬うようにキスをする
「黒がいい子にしてれば殺さないよ」
その言葉に哀しそうな顔をする黒
いつだって正しいと思う人に優しい黒は僕の普段を知っている為に責められない
こんな狂気
イレギュラーだとでも言ってくれたら
僕も少しは楽になれる気がした
「僕……白を
信じてるから…」
狂気の愛
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