Short Story U

□ワガママ
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真っ暗なリビングで膝を抱えて真っ暗な空に浮かぶ月を睨み付ける。


俺の我が儘だってわかってる。

でも、それだけお前を愛してるんだってわかって欲しいのに…

出た言葉は、お前を怒らせただけ。
(愛してるって。俺以外に優しくしないでって。)
言えたらよかった。


『あぁ、バカだ…俺。』
『…ほんと、バカ。』

突然掛けられた声に飛び上がりそうになった。

『…何してんだよ。ベッドが空だと思ったら…』

風邪引くだろ? とブランケットを投げられる。

『部屋、帰って来ないなら毛布も持ってくるけど?』
何も答えられず、更に顔を膝の間に沈める。

『…ったく。もぅ、怒ってないから。一緒に寝よ?』

差し出された手にチラッと視線を向ける。

ゆっくりその手に自分の手を重ねる。
と、同時に引っ張られ半ば前のめりになって立ち上がった。

『…っ、あぶな…!』
『…ごめんね…ちゃんと、わかってるから。俺も、つい頭に血がのぼってさ…』
立ち上がった途端、抱きつかれ、お前が言ったのは謝りの言葉。
お前はちっとも悪くないのに。

『…俺こそ。我が儘だってわかってんだよ。ただ、お前を独り占めしたい。無理だってわかってんのにな。』
『…俺は、ジェジュンのもんだよ?』
『ユチョン…。』
『なんなら、部屋にでも縛り付けとく?ジェジュン以外近づけなくしたっていいんだよ?』

まっすぐ俺を見据えるユチョン。
その気持ちだけでいいよ。矛盾してるけど、皆の中で笑ってるお前が好きだから。

『…気持ちだけもらっとく。それに、お前の心は俺に縛り付けとくから。』


 

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