Short Story U
□恋煩い
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会えない時間は長く、いつのまにか君を求めて街をふらつく。
君の姿を求めて人ごみに目を光らせたりして・・・
こんなにたくさん人がいるのに君だけがいない。
(あぁ、何日こうしてんだろ)
道の反対側に頭ひとつ飛び出た姿が見えた。
(チャン・・・ミン?)
まさかとは思ったけど、気づいたらその姿を追っかけていた。
近づけば近づくほどその姿は明確になる。
相変わらずスラッとした後ろ姿。
長い脚。
モデルのようなスタイルに見惚れてしまう。
(ほっそい・・ちゃんと食べてんのか?)
そんな後ろ姿が時々立ち止まり何かを探すような仕草をする。
(何、探してんの?)
ふと、自分と同じ香りが鼻を掠めた。
煙草・・一緒なんだ・・・。
今度は香水・・・・。
(チャンミン・・・俺の香りに反応してんの?俺を探してる?)
なんだか、凄く嬉しくて・・声を掛けた。