Short Story

□可愛いヒト
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その日はなにげなくジェジュンが読んでた雑誌の特集について話をしていた。

その特集とは…
『自分の彼女がしたら嫌な事は?』

まぁ、よくある恋愛関係のやつ。

何だと思う?ってジェジュンが聞いてきたからその場にいたみんなで口々に意見を言い始めた。

嘘つかれたらやだとか派手な化粧はひくとか言ってた。

僕は…
『大きく胸元が開きすぎな服を着るとか?常にオープンになってるよりふとした時にちらっと見えるほうがいいと思いませんか?』
『チャンミン、むっつり?』
『…はい?』
少し顔をしかめて聞き返す。
なんか怯えた顔したユノが言った。
『な、なんでもない。』


『…ところでさぁ〜チャンミン?』
何かに気付いたジェジュンが聞いてくる。

『なんですか?』
『あのさ、あそこになんだか寂しそうな兎ちゃんがいるんだけど?』
と、リビングのソファーを指差す。
その指差す方へ目を向けると。
確かに、そこには胸元をギュッと握りしめたまま俯く兎が一匹。
『…まったく…』
溜息混じりに腰を上げその兎のところへ。


『…何してるんですか?服、皺になりますよ?』
ギュッと握りしめてる手を外そうとするが力を入れているのか外れない。

『ユチョン?』
頑なに外そうとしない彼をじっと見つめる…
あぁ…なるほどね…
まったく、そういう所が可愛いんですがね。

ユチョンがギュッと握りしめているそのニットはおそらくジェジュンのものだろう。胸元が大きく開いている。

さっき僕が言ったことに反応しての行動だろう。
いちいち、そういうのを気にするんですね。
そんなに僕が好きですか?
そうまでして好かれたいの?

『ユチョン?大丈夫ですよ。そんな事で嫌いにならないですからね?』

俯いた顔を上げる貴方。その潤んだ瞳がふにゃっとした笑顔に変わった。
この笑顔が戻れば大丈夫。
ほんと、可愛いヒト。大好きですよ。


→あとがき
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