長編

□07
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帝国学園との決勝戦は3-1で木戸川の負けだった。

皆はこれ以上ないってくらい素晴らしいプレイをしていたし、必死で戦っているというのがベンチにいる私にもひしひしと伝わってきた。

だけど、豪炎寺の穴を埋めることはできず、前半にキャプテンが決めた1点きり、帝国のゴールを揺らすことはなかったのだった。



試合が終わってからは、閉会式を終えて重苦しい雰囲気の中荷物をまとめ、バスに乗り込む。



帰りのバスの中で、今日の試合で引退の3年生には泣いている選手もいたし、逆に明るく振る舞っている選手もいた。…でも、武方たちだけは違っていた。負けたのは今日の試合に来なかった豪炎寺のせいだ、と彼を責めていた。

でも、武方たちが悔やんでいるのは豪炎寺のことだけではない気がした。豪炎寺に頼り過ぎていたというのを自覚し、そんな自分たちを情けなく思っているのだろう。


そんな彼らを見て、私の心はぎゅっと締め付けられた。


ポケットに入れていた携帯をなんとなく開く。
豪炎寺からの連絡は…なし。
携帯の画面を見つめる私の目に、うっすら涙がにじむのが分かった。


どうして来てくれなかったの。どうして連絡もしてくれないの。どうしてこんなに悲しいんだろう。どうして、どうして、どうして。私の中には吐き出しようのない疑問がいくつも浮かんだ。




『…っう、』




ついに私の目からは涙が溢れてくる。自分の涙で濡れるスカートがいくつもの水玉模様をつくっていた。


ねぇ、豪炎寺。あなたは今どこにいるの。
悲しいよ。…会いたいよ。


私の涙は夜まで止まることはなかった。






どうして





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重い。暗い。短い。





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