長編

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いよいよ準決勝当日。私たち木戸川清修は会場に入りロッカールームで準備を終えて、皆でグラウンドまで歩いて向かっていた。




「絶対に、勝つ。」




隣にいる勝がそう呟いた。




『うん、そうだね。』



「…お前はアイツを応援するかと思ってた。みたいな。」




勝の言うアイツとは、きっと豪炎寺の事だろう。確かに、彼を応援していないと言えば嘘になる。だけど、勝ってほしいと願うのは木戸川だし、私は木戸川の勝利を信じてる。




『…冗談。木戸川は負けないよ。』



「…当然、みたいな。」




そんな会話をしながら歩いていると、不意に雷門の選手が私たちの前に出てきた。あ、と声を漏らすのはキャプテンの円堂くんで、彼の周りには豪炎寺や鬼道くんに、他の選手もそろっていた。

皆、この前の河川敷でのこともあってか私たち木戸川に対する雰囲気やら目付きやらがキツい。私は、チラリと豪炎寺の顔を盗み見た。彼は複雑そうな表情で武方たちと向き合っている。

そんな彼らに向かって懲りずにケンカを売るようなことを言う武方たち。この場に監督がいない今、私が止めるしかないのだろう。
私は1つため息をつくと、武方たちと円堂くんたちの間に入った。




『もう、それくらいにして早くアップしなきゃ。…ね、キャプテン。』




私が武方たちに向けてそう言うと、彼らは渋々といった様子でグラウンドに向かって歩いていく。他の部員も彼らの後をついて行って、この場には私と雷門の選手だけとなった。




『ふぅ…。ごめんね、迷惑かけて。』




私がそう言うと、円堂くんはニッと笑って見せた。




「いいって!アイツらだけのせいじゃない。」



「言われた分は試合で返すだけだ。」




円堂くんと鬼道くんが笑顔でそう言ってくれて、少し安心した。




『ありがとう。…じゃあ、私も行くね。』



私はそう言って彼らに背を向けた。そして、数歩歩いてから振り返って豪炎寺を見ると、ちょうど彼と目が合った。




『勝つのは木戸川だよ。…でも、ちゃんと見てるから。』



「…!」




豪炎寺は目を見開いて、その後にふわりと微笑んだ。そんな彼に私も笑顔を向ける。オレ達だって、負けないぜ!という円堂くんの声がして、雷門の皆に軽く手を振ると、私は前を向いてパタパタと駆けだした。

もうすぐ、試合が始まる。








見てるから

ストレートに、"頑張れ"とは言えないけれど。






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短い(^P^)
いよいよクライマックス…かもしれない←







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