短編
□彼女の特権
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『………』
「………」
気まずい……
今日は何故かガゼル様の部屋にお呼ばれしている。
が、何も話してくれない。
『……あのー、ガゼル様……?』
「なんだ。」
ガゼル様はずっと本を読んでいて、こっちには目も向けてくれない。
『…何故私をお呼びになったんですか?』
「……そうだな……そろそろ良いか…」
『(そろそろって…何がよ…)』
ガゼル様はやっと本を置き、私を見る。真っ直ぐに見つめられ、吸い込まれそうになって目が放せない。
「…私はお前が──」
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