短編
□だいすきなひと
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ガチャ、と音をたてて、私の彼が帰ってきた。昨日から彼の自宅に泊まっていた私は、彼が部活に行っている間留守番を頼まれていたのである。1人暮らしは大変だと思う。
待ち焦がれていた彼の帰宅に騒がしくなる胸を抑え、パタパタと玄関に向かう。
『おかえり、大我!』
「おー、いい子にしてたか?」
そう言って私の頭をぽんぽん、と撫でる大我。私はムッとして彼を見上げた。
『また子供扱いして…』
背が低いからって…歳は同じなのに。
私がふてくされると、大我はフッと笑い、私の顎を手で掬った。
『たい…』
私が大我を呼ぶ声は彼の唇に消えた。重なった唇は、熱を持っていて熱い。
そしてゆっくりと離れると、大我は優しく微笑む。
「ガキにんなことしねーよ、バカ。」
普通ならバカと言われるとムカつくものだけど、このバカには優しさがたくさん詰まってる気がして、嫌な気はしなかった。
『帰国子女ズルい…』
「関係あんのかよ、それ」
ハッ、と笑って私の額に軽いキスを落とした大我は、部屋の中に入っていく。
「あ、そうだ」
何かを思い出したように立ち止まった彼は、こちらを振り向いてニッと眩しい笑顔を見せる。
「今日部活で疲れたから、甘えさせろよ。」
『…っ』
ニヤリとどこかイタズラっぽい笑顔を浮かべる。やっぱり、大我はズルい。これじゃあ彼の方が子供みたいだ。
久しぶりに、いっぱい甘やかしてあげようか。
だいすきなひと
まずは膝枕。
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短い。
なにがしたかったの自分_(:з」∠)_
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