短編

□こんな日常
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高校生の私は、今日も今日とて学校で勉強に励む。といっても、今はボーッと頬杖をつきながら先生の話を聞き流しているだけだけど。

それにしても暇だ。チラリと時計を見ると、この授業が終わるまであと20分ほど。まだまだじゃないか、ちくしょう。そう思って小さくため息をついた。
すると、前の席の男子がくるりとこちらを振り向き、私の机に折り畳まれた紙を置いた。



「なんか苗字あての手紙、まわってきたよ。」
『え、あぁ、ありがと』



とりあえずお礼を言うと、その男子は再び前を向く。
なんだろう、この手紙。

私は机に置かれた紙を開き、内容を確認する。
そこには、上手とも下手とも言えない字で"こっち見て 高尾"と書いてある。

和成か。まったくあいつは授業中に何を…と思いながらも仕方なく彼の方に顔を向ける。

すると私に気付いた和成は、口パクで

(す・き・だ)


確かにそう言った。
もう、バカじゃないの!そう言ってやりたいけど、今は授業中だし、何よりこんなに赤くなった顔をあいつに見せるわけにはいかない。
私は赤く染まった顔を隠すように俯いて、和成から目を逸らす。

ダメだ、嬉しくてにやけてしまう。チラリと和成を見ると、ヤツは満足そうな笑顔を浮かべていた。

この授業が終わったら、私もだと伝えてやろう。
和成の嬉しそうな顔が目に浮かんだ。






日常

ありふれている生活だけど、
あなたのお陰で毎日がキラキラです。







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