短編

□寝起きのキミ
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「(…しくじった…)」






ある日、豪炎寺は部活が終わり、帰宅の準備をしていたところ教室に忘れ物をしたことに気付き、面倒ながらも教室に向かっていた。




ガラリ。教室のドアを開けると、そこには机に突っ伏している人影が1つ……




それをよく見てみると、自分がひそかに想いを寄せている人物、名前が寝ていたのだ。





「(こんな時間まで何をしているんだコイツは…)」






そう思いながらも、名前の可愛らしい寝顔はほほえましく感じた。



せっかくなので、その可愛い寝顔をしばらく拝見させてもらうことに。





豪炎寺は名前の寝顔をどれだけ見つめても飽きることはなかった。





「(…まつげ長いんだな…)」





今まで知らなかったことや、新しい発見をして豪炎寺は少し嬉しかった。





「(…って、変態か俺は…)」





自分でも呆れるほどに名前に惚れていると知らされる。





「…(いい加減に起こして帰らないとマズいよな…)」






そう思いはするものの、どうしても気持ち良さそうに寝ている名前を起こすのには抵抗があった。






「…可愛いな…」






思わずそう呟いて自分の顔を名前の顔に近付けた。



もう少しで唇同士がくっつきそうになる……が、





ぱち、







「!」






『…?……っ!!?』







なんとも奇跡的なタイミングで目を覚ました名前。
お互い顔を真っ赤に染め上げる。





しかし、豪炎寺は一瞬動きを止めたものの、また顔を近付け始める。







『へ……っ!!』






そして…





ちゅ、





『ん…っ』





暗く、静寂な教室に可愛らしいリップ音と名前の少しくぐもった声が響いた。










寝起きのキミに、
甘いキスを。



その後、2人で仲良く手をつないで帰る姿が目撃されたとか………








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