短編
□大好き!
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──ある日の放課後──
『あ゛─』
「……なんだ。」
『(冷たっ!)何で掃除なんてしなきゃいけないの!!?もう皆帰ったよ!』
「…それは今日俺達が日直だからだろう。」
『……それはそうだけど……』
そう、今日の日直は名前と鬼道の2人。
今日は通常のように掃除が無かったため、日直の2人は掃除を任せられている。
『ハァ─……今日はあのドラマの再放送なのに……』
今日のドラマの内容は以前名前が見逃した回なのだ。
名前がチラッと横を見ると鬼道は黙々と掃除をしている。
『ねぇねぇ鬼道──!!』
「………分かった。」
『へ?』
「お前はもう帰れ。そしてドラマを見ればいい。」
『えぇ!?ダ、ダメだよ!嬉しいけど鬼道だって部活あるなら2人で早く終わらせて部活行かなきゃ!』
「俺はいいから。」
鬼道は穏やかな表情で言う。
『…(いつになく鬼道が優しい…)じゃ…じゃあお言葉に甘えさせていただきます……』
「あぁ。」
『鬼道!!』
名前は教室を出て行く直前で鬼道の名前を呼んだ。
「なんだ?」
『ありがとう!大好きだよ!』
「───!!」
『じゃ、バイバイ!』
名前が帰った後鬼道は顔を真っ赤にして立ち尽くしていた。
「……っ(大好きって……!!)」
その日鬼道はチヤッチャと掃除を終え、部活に行ったのだった。
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