短編

□カイロ
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「名前ー!!」



『うわっ!?』





突然後ろから誰かが抱きついて来た。





『…もう…っ守!!』





見なくても分かる。こんな事をするのはコイツしかいない。





『いつもいつも…びっくりするじゃん!』






「えぇー良いじゃないかよぉー…名前温かいし……」





そう、守はいつも温かいと言って抱きついてくる。

つまり、あたしは守のカイロって訳だ。





『もーだったら他の人でも良いでしょ?ほら、豪炎寺君とか温かそう…』





いつも炎だし。名前も技も…





「えぇー!!アイツ男だぜ?筋肉があって抱きごこちがいまいち……」






そりゃあそうだ…いつもあんなにハードなトレーニングをしているんだから…





「その点、名前は柔らかいし、小さくて抱きつき安いんだー!!」




『…それはどうも…』





それは褒めているのかな…
守は褒め言葉のつもりみたいだけど…






「それに、オレは名前にしかこんな事しないぞ??」





『っもう!ばか!』






こいつは……サラッとこういう事を言ってくるんだから……照れるじゃん…

でも、そういうとこ、好きだなぁ……





「………」






突然守が黙って、腕の力を強めてきた。






『…っ守……?』





ぎゅうっ……






更に腕の力を強める。




『ま…っ守…?苦しいよ…っ』





「……何かさ…オレ、名前と居ると変な気持ちになるんだ……」





『…え……?』





「凄くドキドキしたり、離れたくないって思っちまう。」





『守…それっ…』





「好きだ。」





守はあたしが見たことないくらい真剣な顔でそう言った。






『ま…もる……』





「いつも温かいって口実つけて名前と一緒に居たかっただけ………」






『守…あたしも好き…』





「えっ…!ほ、本当か!?」





『うんっ守が大好き!!』










私はカイロ

キミだけの、ね!








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