GO!
□おかえり
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『修也…!』
雷門中が、ホーリーロードで優勝した。
天馬君たちが嬉しそうにフィールドで飛び上がっている。
「名前…」
そんな彼らを見つめていた修也は、私に目を向けた。
『やっと…終わったんだね…』
「…あぁ…」
『なんで黙ってたのよ…』
サッカー日本代表から突然姿を消した修也。
心配して独自に調査してみれば、フィフスセクターの聖帝になっていて。
私がショックを受けているところに、円堂からの連絡があった。
豪炎寺は、サッカーを守るためにフィフスセクターに入ったのだと。
テレビ中継でこの決勝戦が流れていて、相手チームのベンチにいた彼を見た私は、必死でここまできた。
みんな、雨でびしょびしょに濡れてしまっている。それでも、今まで必死に闘ってきた雷門イレブンのみんなはキラキラと輝いていた。
「…すまない…っ」
修也は悲しげに、だけどどこか嬉しそうに顔を歪めた。
『修也っ…!!』
私は勢いよく修也に抱きつく。
彼もそんな私を優しく抱きとめ、きつく抱き締めた。
『ばか…!ひとりで格好つけないでよ…!』
「すまない…っ」
『ずっと…待ってた…』
「…あぁ。」
『ずっと、会いたかった…!』
「…俺もだ…」
全身に修也の温もりを感じる。
私は彼の胸に顔を埋め、ぎゅうっとしがみつく。
「…それじゃ顔が見えないだろう…」
『え…』
私が顔を上げると、すぐそこに彼の顔が近づいていた。
私たちはそのまま、ゆっくりと吸い寄せられるようにキスをした。
何度も何度も、角度を変えてはお互いの存在を確かめるように唇を重ねた。
『ふ…修也…』
修也は名残惜しそうに唇を離すと、私を真っ直ぐ見つめた。
「愛してる、名前…」
『…私も、愛してる』
私たちは再び抱き合う。
ふと、私は周りがやけに静かな事に気がついた。
不思議に思ってみんなの方に目を向けると…
『!』
全員がこっちを見て、様々な反応を見せていた。
鬼道は呆れた様子でため息をついているし、円堂は少し頬を染めている。…奥さんとやる事やってるでしょうに…
春奈ちゃんはものすごい笑顔だし、雷門イレブンのみんなは顔を真っ赤にさせたり目を反らしたり
…マネージャーの子が写真を撮っていた。…やめてくれ。
「あれ、もう終わりなの〜?」
「おい、狩屋…!!」
狩屋と呼ばれた子と、ピンクの髪をした美少年が顔を真っ赤にして怒鳴っている。
…やってしまった。
みんなに見られていた事に気付き、激しい羞恥に襲われた。
修也から離れようとするも、腰に回された手によってそれは叶わなかった。
『修也…恥ずかしい…!!』
「いやだ。」
そう言った修也は、私をさらに強く抱き締める。
『もう…ねぇ、修也。』
「ん?」
おかえり!
(名前っ!)
(わっ!)
(お前ら、これテレビに映るんだぞ)
(いやぁぁあ)
(もう遅い)
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