GO!

□大胆彼女
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久しぶりに部活がない日曜日。
そんな日に拓人が珍しくデートに誘ってくれたので、私は嬉々とした気分で家を出た。



『拓人!』



待ち合わせ場所に行くと、既に拓人はそこにいて、私が呼ぶとくるりと振り向いた彼は、私の姿を見つけるとフ、と微笑む。(あぁ、今日も可愛い…!!)



「名前、」
『ごめんね、待った?』
「いや、時間ぴったりだ。さすがだな。」



そう言いながら手を差し出す拓人。
私はその手に自分の手を重ね、2人で歩き出す。



***********


私たちは洋服を見たり、アイスを食べたりと普通のデートを楽しんでいた。

サッカー部の拓人、そのマネージャーの私はスポーツ用品が大好きというわけで、今はスポーツショップに来ていた。



『あ、そういえば救急箱のテーピング、もうすぐ無くなるよね?』
「あぁ、そういえば…。この際だから買っておくか。」



拓人はそう言ってテーピングをいくつか手に取る。



『わぁ、あのウェアかっこいい!』
「ウェア?」
『ほら、これ。拓人、きっと似合うよ!』



私が一着のウェアを手に取ってそう言うと、拓人は目を真ん丸にしてから少しだけ顔を赤くした。



「そ、そうか…?」


『うんっ!でも、拓人には雷門のウェアが一番似合うからね』



私たちはそんな会話をしながら店内のいろんな商品を見て、結局部活用のテーピングだけを購入してスポーツショップを出た。

外に出るとすでに空はオレンジ色に染まっていて、日が沈みかけていた。
そんな中、私たちは今日のデートの最後にゲームセンターに入った。



『拓人っ、プリクラ撮ろう!』



私が拓人の服の袖を引きながらプリクラ機を指すと、拓人はあぁ、と笑顔で返事をしてくれて、私たちは初めてのプリクラを撮ることになった。

ゲームセンターには時々蘭丸くんたちと来るみたいだけど、プリクラを撮るのは初めてらしく、無駄に緊張していた。(そんなところも可愛い…)

あっというまに撮影は終わり、次は落書き。
落書きコーナーの画面には、先ほど撮ったプリクラが写っている。
そこには笑顔の私と、緊張気味な顔をしている拓人がいた。



『やばい、拓人可愛い…!』



私が思わずそう言うと、拓人は隣で顔をむすっと膨らませた。(拓人いわく、男に可愛いなんて言うもんじゃないらしい)



「…名前の方が…」
『ん?』
「名前の方が可愛いだろう…」



真っ赤な顔を私から背けるようにしてそう言う拓人。そんな風に言われたらこっちまで照れてしまう。

そんな彼がたまらなく愛おしくなり、私は背けられたままの拓人の顔を両手で包むようにすると、こっちを向かせた。



『…拓人、ちゅーしよう。』
「…!?こ、こんなところで…!」
『どうせ外からは見えないよ。』



私は拓人の返事を待たずに彼の唇に自分の唇を重ねた。




大胆彼女

(…は、恥ずかしい…)
(うわぁぁ拓人可愛い!)




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ちょっと男前主。
神童かわいい。



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