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□暗証番号
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not聖帝

私の彼は、プロのサッカー選手。
今はオフシーズンでゆっくりできるからと、私は彼の家に遊びに来ていた。

彼は今入浴中。私の目の前には彼の携帯。そんな状況の中、私はある欲求と戦っていた。



『(気になる…!)』



私は彼氏の携帯をチェックするタイプではない。それが修也ならなおさら。
彼は浮気をするような人ではないと信じているし、私以外の女とはほとんど関わりがないのを知っているから。
でも、今この状況において、私の中にある欲が生まれた。それが、修也の携帯を見たい、という事。

さっきも言ったように、私は彼氏の携帯をチェックするタイプではない。それが修也ならなおさら。…でも、本当は気になって気になって仕方がない。
浮気どうこうという話ではなく、純粋に彼が誰とどんなメールをしているのか。

例えば、彼と同じ日本代表である円堂くんとか。修也と円堂くんは割と頻繁に連絡を取り合っているらしい。その円堂くんとどんな内容のメールをしているのかが気になる。

彼氏といえど、人の携帯を勝手に見るのはいけないと思う。でも、そんな事を考える頭とは反対に、私の右手は彼の携帯に伸びていた。



『(ごめん、修也っ…!)』



私は彼の携帯を手に取り、罪悪感を感じながらもワクワクとした気分でメールの送信BOXを開く。しかし、そこに表示されたのは、暗証番号を入力する画面。



『え…』



何これ暗証番号?
え、なんで?というか暗証番号つけなきゃいけない内容のメールがあるの?



『まさか…』



女…!?
と、私の頭の中にはそんな考えが浮かんだ。さっき彼は浮気をするような人ではないと信じてる、だなんて言っといてアレなんだけと、すごく不安だ。



『いやいや…!』



そんなはずはない、と自分に言い聞かせ、携帯の画面を見つめる。とりあえず彼の誕生日でも入力してみるが、残念ながら違った。

私は何度も彼に関係のある数字を入力してみるが、なかなか正しい数字を当てられていなかった。彼の背番号でもなく、私たちの記念日でもなく…



『……』



限界かもしれない。分からない。修也はそんなにメールを見られたくないのか。そう思うと、泣けてきた。



『はぁ…なんかへこむわ。』



諦めようか…と思ったその時、私の頭の中にある数字が浮かんだ



『まさか、ね…』



半信半疑でその数字を入力すると、開かれたメールの送信BOX。正解だということか。



『うそ…』



私は驚くと同時に、胸の中に温かいものが広がった気がした。どうしよう、すごく嬉しい。だって、その数字は私の誕生日だから。
私はメールの内容を見ずに、携帯を閉じた。

その直後、お風呂からあがってきた修也が部屋に入ってくる。いつもはツン、と上げられている髪が濡れて、垂れている。私は勢いよく彼に抱きついた。



「どうした、名前。」



驚きながらもしっかりと私を受け止めてくれる修也。あぁもう、好きすぎる。私は彼の髪から垂れる水滴で服が濡れるのも気にせず、彼の首にまわした腕にぎゅっと力を込める。

大好きな修也の香りを肺いっぱいに吸い込んで、彼の腕が私の背中にまわるのを感じながら目を閉じた。





暗証番号

(修也さ、私のこと大好きだよね。)
(は?)



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豪炎寺喋ってない(^q^)


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