GO!

□甘い夕暮れ
1ページ/1ページ




放課後を告げるチャイムが校内に響きわたる。私は帰りのHRが終わると同時に、ダッシュで彼のクラスへ走った。



『修也ー!』
「名前?」



突然の私の登場に目を丸める修也。あぁ、今日もかっこいい!



「どうしたんだ、そんなに慌てて。」



鞄を肩に掛けながらこっちに来る彼はそう言って緩く笑う。(別に慌ててないんだけどね!)



『今日は久しぶりに部活休みでしょ?一緒に帰りたいなーと思って。』
「あぁ、じゃあ帰るか。」



そして、私達は2人で学校を出る。靴箱で会った不動くんに冷やかされたけどここは気にしない。ただ明日しばく。

校門を出ると、修也の手が私の手をとった。

普段は部活があって一緒に帰れる日は少ないから、こういう些細なことが嬉しくてついにやける。やめろ自分、怪しいぞ。でも嬉しいから仕方ない。



『修也、手おっきいねー』
「そうか?」



修也のその言葉に、私は繋いだ手を目の前の高さにくるように掲げた。



『ほら、見てこの差!私の手ちっちゃー!』



指を広げてみると、修也の手は私のひと回りもふた回りも大きい。
当たり前だけど、やっぱり男の子なんだなぁ…と実感。



『あ、そういえば今日体育でサッカーしてたでしょ!』



私は手を繋ぎ直して話題を変える。我ながらお喋りだ。それに嫌な顔1つしないで付き合ってくれる修也は、やっぱり優しいというか、さすがお兄ちゃんだと思う。



「見てたのか?」
『うん!たまたま外見たら修也がいたから。』



サッカーをする修也がかっこよくて、ずっと目で追っていたら先生に叩かれたのは内緒。
言ったら呆れられちゃうからね。



『かっこよかったなぁー、修也!』
「またお前は…」



いつものようにそう言ってため息をつく修也。私はそれが照れ隠しだと知ってるから、別に気にしない。



『もー、本当は嬉しいんでしょ?』



このこの、と肘で修也を小突く。そんな私を見て、修也は可笑しそうに笑った。



『なに笑ってるのー?』
「いや、お前が先生に叩かれながら俺を見ていたのかと思うと、可愛くてついな…」
『なんで叩かれたの知ってるの!?』
「やっぱり図星か。」



修也はシラッとそう言った。
どうやら彼はカマをかけていたらしい。私は恥ずかしくて赤くなった頬を隠すように俯いた。先生に怒られたのがバレてたこともだけど、あの修也がか、可愛いって…!!



『もう、修也のバーカ』
「照れてるのか?」



今度は修也が肘で私を小突く。



『照れてないし…!』



そう言っても恥ずかしくて顔を上げない私。隣で修也が笑っているのが分かった。



『またからかって…』
「悪かったよ。…名前。」



彼が私を呼んで立ち止まるので、同じように立ち止まって顔を上げる。
…と、私の顔に影が落ちた。
そして唇に触れているのは恐らく彼の唇。

私は修也の制服を掴み、目を閉じた。

何度か唇がくっついて、離れる。
目が合って、恥ずかしいけど嬉しくて甘い気持ちになって2人で笑い合う。



「行くか。」
『…うん!』



彼の笑顔が夕陽に照らされて眩しかった。





甘い夕暮れ

(寄り道しなくてよかったのか?)
(修也と帰るだけで満足だから!)
(…またこいつは…)



-------------------------

久しぶりに豪炎寺さん。

高校生設定ということにします。

豪炎寺さんといちゃいちゃしながら帰りたい…!という願望から生まれました。
豪炎寺さんと不動さんは何気に高校が一緒だといい。


.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ