□最初で最後で運命の
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それは、家で暇をもて余していた俺が彼女は今なにをしているのだろう、と思った瞬間だった。



『…ニール…?』



名前の声でハッと我にかえる。昨日までとは違う髪型をした彼女をじっと見つめる俺は、さぞ怪しかっただろう。

突然、髪型を変えた彼女は息を上げながら俺の家に駆け込んできた。…それにしても、だいぶイメージが変わったな。色も染めたのか。似合っているが、まだ慣れないせいか違和感が半端ではない。



『どう…かな…』



頬を染めてそう尋ねる彼女の頭に手を乗せてみる。



「…似合ってる。」



俺がそう言うと、名前は俺の顔を見ながら照れ臭そうに、それでいて嬉しそうにはにかんだ。



『よかった…!ニールってば黙ったままだったから…』
「あー…びっくりしちまってよ。」
『でもニールが似合ってるって言ってくれたから、嬉しい!』



満面の笑顔を俺に向けてくるものだから、思わずこっちが恥ずかしくなった。ちくしょう、可愛いんだよ。



『やっぱりアレンさんってすごいよねー!』



あぁ、そういえばあの野郎は美容師だったか。俺は美容室に行かないから忘れていた。…ということは、こいつの髪をあの野郎が触ったっつーことか。いくら美容師だから仕方がないとはいえ、面白くねぇ。



『アレンさんって、アクセサリーも自分で作れるんだって!器用だよねー、私も作ってもらおうかなぁ…』



呑気な顔で何を言ってるんだ、こいつは。そんな事、俺が許すはずがないだろう。それはつまり、お前があの野郎からアクセサリーを貰うってことだろ?お前にそんなもん贈るのは、俺だけでいいんだよ。



「…名前。」
『ん?』



名前が俺の方を振り向いた瞬間、彼女を強く抱き締めた。



『え、ニール…っ』
「…気に食わねぇ。」
『え…』



首もとに顔を埋めれば、彼女の香りがする。その香りは俺をひどく落ち着かせた。



「…あの野郎がお前の髪を触ったってだけでもむかつくってーのに、お前があいつの作ったアクセサリーが欲しいとか言うから…」



柄にもない事を言って、顔が熱くなるのを感じた。クソ、俺らしくねぇ。



『…ニール…』



背中に彼女の腕がまわる。



『…嫉妬?』
「…悪いかよ。」
『嬉しいよ。私、ニールに愛されてるなぁ…って思った。』



改めてそう言われると、照れる。
でも、俺は自分でも気持ちわりぃくらいにこいつが好きらしい。
こいつとなら、どこまでも行ける気がするんだよ。



「…好きだ。」
『私もだよ、ニール。』



彼女の唇に口付けをした。
離れれば、嬉しそうに顔を赤らめる名前と目が合う。

見つめ合って笑って、またキスをして。以前の俺なら考えられない事だ。
こんなに誰かを好きになるなんて、こいつが初めてなんだ。なぁ、名前。俺の最初で最後の女になってくれよな。
…なんて、本人に言えるはずもないけどな。





最初で最後で運命の



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ついにやってしまった…

髪型変えたのに
何も言ってくれないニールに
カッとなって書いた。



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