短編

□ネタ帳まとめ
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機械を介した笑い声。 


低く低く、まるで全てを嘲笑うような「神」の声は、次第に声量を上げ、ただただ無邪気に悪意を持つ哄笑へ変わる。
あまりに禍々しいそれを聞いた青年は、まるで恐ろしい啓示を聞いた預言者のように、僅かながら後ずさる。

意味は無い。
溢れる恐れのまま、身体を動かしただけだった。


そうこうしているうちに、向こう側の笑いは収まりを見せ、ようやく笑い混じりの声が響く。


『いいぜ?』


あまりにもあっさりとした、快諾。
それと同時に、背後にいる「森」の「王」達へ、小さな動揺が走った。

携帯を耳に当てたまま、静かに振り返れば、「王」達の間から、狼の差し金である映像が見え――その中の変化も、伺える。

苦渋の選択の下、「取捨」の「捨」へ入れた女性の横に、闇色の人型が存在していた。
今まさに電話の対極を握る、相手が。


再び響く笑い声と、画像の口元が連鎖する。
そして。


『助けてやるよ「石の王」』


まごうことなき傲岸さと共に、「神」は「王」へ宣言した。



それは戦場の戯れ

軍神は戦場で王を笑う




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