ネタ帳

突発的な小話や連載ものの断章を載せます。
ネタ帳内でシリーズ化している設定のシリーズ名は下記の通りです。

年齢逆転→求めるは高き「空」
樹創世神側設定→率いるは嵐
吸血鬼→夜に踊れ不死の者共
双子ネタ(一緒に生活してる版)→烏と死神
葛馬×樹で個々にチーム持ちな高校生ネタ→高め合え炎と嵐
樹と旧「眠りの森」立場逆転で樹が養い親ネタ→種々の雛鳥

これまでのネタを見たい方は、こちらからどうぞ。
ネタ帳まとめ


◆天才と鬼才 

奏音は、調律者の中の天才を知っている。
それは言わずもがな、現「契の王」であり、先代を凌ぐ才を遺憾なく発揮している少女のことだ。

彼女の概念は広く深く、彼女が有する玉璽を通じて概念を共有した少女達に「出来ればあまり体感したくない」と言わしめる。
また玉璽の微調整も短時間で終わらせるのだ、正に脱帽ものの天才であった。


――しかし奏音は、調律者の中の鬼才も知っている。
「契の王」に並び立つほどの実力を持ち、指揮者(コマンダー)と呼ばれ謳われる少年だ。

彼は別に、彼女へ「王」の座を譲ったわけでも、「王」の座に執着していないので名乗り上げなかった訳でもない。
彼は、指揮者は、確かに「契の玉璽」を使いこなせるが――そこに浮かぶ概念が問題なのだ。


簡単に言うと、彼の概念は他者を食らう。
彼女のそれが疲労を起こすなら、彼のそれは狂気を起こす。


精神も肉体も易々と限界を突破し、それでも止まらないような――止まれないような――そんな極地まで。

連れていってしまうのだ。
導いて、しまうのだ。
あまりにも高い――空の彼方にも似た場所へ。

だから彼は、「契の王」には絶対になれない。


もう一度言おう。

奏音は、調律者の中の天才を知っている。
奏音は、調律者の中の鬼才を知っている。

そして。


彼女は王に、彼は指揮者に相応しいことも、知っている。



(奏音、短編の樹調律者設定。紙ネタ帳から発掘。奏音から見た2人はこんな感じっていう話を書きたかったのでした。
王と指揮者)

2010/12/05(Sun) 21:11

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