ネタ帳

突発的な小話や連載ものの断章を載せます。
ネタ帳内でシリーズ化している設定のシリーズ名は下記の通りです。

年齢逆転→求めるは高き「空」
樹創世神側設定→率いるは嵐
吸血鬼→夜に踊れ不死の者共
双子ネタ(一緒に生活してる版)→烏と死神
葛馬×樹で個々にチーム持ちな高校生ネタ→高め合え炎と嵐
樹と旧「眠りの森」立場逆転で樹が養い親ネタ→種々の雛鳥

これまでのネタを見たい方は、こちらからどうぞ。
ネタ帳まとめ


◆烏の群れは消え、狼は空を制した。 

それは狼の悲願であり、その瞬間狼は勝者となったはずだった。
しかしこれはどういう事だと、狼は回らない頭で自問する。


「よお」


完膚なきまでに壊された足で這いずった。
それを縫いとめるように、先ほどまで暴れていた足が踏みつけてくる。


「久しぶりに会ったからって、そんな顔すんなよ」


暗く淀み、静寂のような瞳に感情はない。
しかし、両の口の端だけはぞっとするほど吊り上っていた。


「折角」


壊された足を更に砕かれ、上げそうになった悲鳴も恐怖が殺す。
そう、これは恐怖だ。

何故ならば、目の前にいるのが、今自分を殺そうとしている存在が、殺した筈の敵だから。


「殺しに来てやったんだから、もっと笑えやクソ狼」


感情的な言葉に不釣り合いな、以前なら有り得ないほど抑揚のない声。
背筋を粟立たせるそれは、死を呼ぶ鳥の羽ばたきを思わせる。

殺したはずの群れから這い出、復讐を遂げるべく足掻く、死に損ないの烏の羽音。



(空+樹、だいぶ前に考えてた樹以外の小烏丸メンバー全滅ネタ。あまりに暗いから書きませんが、ちょっとだけこんなのも考えてたよと出してみる。
持ち得る翼を刃に変えて、死にかけの鳥は狼を屠る)

2011/07/29(Fri) 14:30

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