小谷の姫

□とある姫君の宣誓
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 ……最近、月日が流れるのは早いなぁ、と思う。
 戦国に来てからは、特に。

 私がこちらに来てもう二年。本当だったら今頃、私はどこかの大学にでも通って、椅子に座って、先生の話を聞いて……。
 つまらない毎日がずっとずっと、繰り返されるだけだったんだと思う。

 だから、この胸に誓いたい。
 私、小川市乃は……いや、市は、この戦国乱世を生きたい。
 今更かもしれないけど、そう思うんだ……。


 この時代に来たばかりの頃は、不安しかなかった。
 小谷の城を飛び出して、兄者に拾われて、お市の方と呼ばれるようになっても、私は元の時代に帰る方法だけをひたすら求めていた。
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