小谷の姫

□とある姫君の輿入
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 そして、こっくりこっくり船を漕ぎ出した辺りになってやっと、行列は城に到達した。
 流石に、城内に足を踏み入れる時は緊張した。嗚呼……今日からここが私の家になるのか。何か……、凄く山の上なんですけど。二年前はあんまり気にしなかったけど。
 今私が身に纏うのは、白装束。結婚から三日間は、ずっと白装束のままで居なければいけないらしい。今のウエディングドレスと通ずるものがある。……のか?
 そしてこの度の式の費用は、何と全て兄者負担。普通は、輿入れ先の家(この場合淺井家)が出すらしい。兄者、太っ腹。



 そして、気が付いたら式が始まっていて、目の前には二年前より凛々しい顔立ちの長政様が座っていて、よく分からないけど沢山お酒を飲んだ。そのせいなのか、次に気が付いた時には……、寝室に長政様と二人きりだった。
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