dream2
□音無家のお姉ちゃん!
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私のお姉ちゃんは誰よりも兄弟の絆を大切にしている。
八年前のある日。まだ、私もお兄ちゃんもお姉ちゃんも施設に居た時。
「春奈、起きて。春奈!」
お姉ちゃんは他の人を起こさないように小声で私を呼んだ。
「ほら、有人も起きて!」
お姉ちゃんはお兄ちゃんまでも起こし始めた。
時刻は夜中の12時。
「お姉ちゃん、どこ行くの?先生に怒られちゃうよ…?」
「大丈夫だって。」
お姉ちゃんは窓を開けて外に出た。お兄ちゃんも私もそれに続く。
「気をつけてね。ここ、急な斜面だから。」
施設の裏は小高い丘になっていた。
お姉ちゃんはそこを登って行く。
お兄ちゃんは頭に?を浮かべてお姉ちゃんの後のついていった。
私も付いて行く。
丘の頂上まで来た。
「姉ちゃん、何にもないよ?」
「ま、待ってなって!」
お姉ちゃんはニッコリ笑ってそう言った。
少し待つと、お姉ちゃんは声を上げた。
「来た!」