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□寒空の下に野良猫ひとり
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「はあ…」


3度目のため息。
吐いたところでパチンコで負けた事実は変わらないが、無意識に3回も吐いていた。


「(5万も負けるなんて…泣くな俺っ…!)」


溢れそうな涙を一生懸命堪えた。心の中では、帰ったら泣こう、なんて思ったり。
金もなく行く所もなくする事もなく、仕方なく家に足を進めた。
すると目の前に、


「……ん…?」


綺麗な白髪の少年がいた。


「(このクソ寒い時期に半袖って…)」


雪も降りそうな勢いで寒いのにも関わらず、どこかの中学校の制服の少年。
…なんだか妙に威圧感やらプレッシャーを感じた。



「…何」
「えっ…」
「何か用…?」
「あ…その…寒くないのか気になって…」


もう一度、寒くないのか?と問い掛ける。


「寒い」
「い、家は…」
「ないけど」
「(家出か何かか…?)」


後頭部をガシガシ掻いた。
そして4度目のため息を深く吐いた。


「家、来るか?」
「…いいの?」
「まあ…減るもんじゃないしな」
「じゃあ行く…」


少年は少しだけ口角を上げた。そんな気がした。


寒空の下に野良猫ひとり
(本当にいいの…?)(気にすんなよ)(ふーん)((…気になって仕方なかったなんて、))

言えるわけないよな




     * * *
これ、誰視点?…カイジさんかわたくしか!←
初がこんなのでごめんなさい。焼き土下座。ちょ、痛い!石投げないでっ…!
そしてしげるくんはカイジさんの家に住み着きます。ここを原点にしとこ。

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