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□だけど、すき
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何をどうしたらそんなに泣けるんだろう。


「うぅっ…ずびっ」


泣きながら歩くカイジを見て、しげるは思った。涙を拭いながらも足を進めるその様はなんとも器用だ。

カイジが泣いた原因は、先程2人が見てきた映画にある。
ストーリーは典型的な感動もの。大切な者が死してもなお、生きていくというありがちな話だ。
そんな話に泣いてるカイジはそうとうな泣き虫だろう。それに対してしげるは無表情で、傍から見たら面白い光景で仕方ない。
しげるは「ふぅ」と、小さく溜息を吐いた。


「カイジさん、いい加減泣き止みなよ」
「なっ泣いてねぇよ…っ」
「思い切り泣いてるじゃない」


一生懸命涙を堪えるが、涙は溢れ出て仕方ない。
大の大人の男が泣いているのをチラチラ通行人が見ていた。けれど、カイジが泣き止む事はなかった。泣き止めなかった。

そんなカイジは家に帰っても泣き続けていた。泣き止んだのは結局30分後。


「目が痛ぇ…」
「そりゃあれだけ泣けばね」
「ほ…ほっとけっ」


濡らしたハンカチで目を冷やした。


「…そんなによく泣けるね」


ぽつりと呟くしげる。


「好きで泣いてんじゃねぇよ」
「けどそれだけ共感してるってことじゃない。凄いよ」
「そうかぁ…?」
「うん、凄い」


自分はそんなに泣けないし。
しげるはあんなくだらない話でこれだけ泣いたカイジは自分とは全然違うって実感が今更湧いた。


無愛想で泣き虫で犬みたいで。

まったく…どこがいいんだか。


そんなよく分からない彼に惚れた自分はもっとよく分からない。




だけど、すき
(トトロとか見たらもっと凄そうだね)(しげる、トトロ知ってんのか?)(…馬鹿にしないでよ)


     * * *
こんな小説を書いた自分はもっとよく分からない。
本気で毎日更新とかwもう日にち変わったから、今日の分はいいよね?ね?ねー?(^∀^)うふふ
あ、さっきアカギの4話見てきました。うん……うちのしげると違いすぎておもしろかったです……
 

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