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□味見しても良いですか
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「はー、あっちー」



清潔なタオルで髪の毛の水気を取りながらそう呟くと、居間にちょこんと座っているしげると目が合った。


「カイジさん、髪びしょ濡れだよ」
「あー?あー、めんどくせぇし後でいいかなって…。ビール飲みたいし」


と言っても、一応滴る水が鬱陶しいからある程度水気は取るけど。
するとしげるが瞳をきらめかせて一言言った。


「俺が拭いてあげる」
「は、」
「ここ座って」


自分の前の床をぱしぱし叩いて、俺を見上げるしげる。
俺、そんな子供じゃねぇよ?ははっと苦笑い。


「いや別に大丈夫…」
「もう1度言うよカイジさん」


チャキ。


「座って」
「おま、拳銃は反則だろ…!」


拳銃かざされたらさすがに従うほか無い。素直にしげるの前に腰を下ろした。
それを見てしげるも拳銃をしまった。そんなもんなんで持ってやがる。
深く溜息を吐く。


「座ればいいんだろ」
「タオル」
「おらよ」
「ん」


首に掛かってたタオルを渡す。しげるはタオルを受け取ると、即座に俺の頭を掴んで思い切り下を向かせた。そして無言でごし…ごし…と俺の髪を拭き始める。
…力加減知らないのか。痛ぇぞ。


「…カイジさんって」
「あ?」
「うなじ綺麗だよね」
「なっ…!」


顔を上げようとするが、しげるの力により顔を上げられない。


「へ…変なこと言うな…っ」
「ほんとのことじゃない」


そういうのは俺みたいな男じゃなくて女にでも言えよ。
そう言えば、なんでと返された。なんでって…。もう俺こいつが分からない!


「そんなの褒められたって嬉しくねぇよ」
「そうなんだ」
「普通そうだろ」
「美味しそうなのに」
「……は?」


なんか食べたくなる。


「ふ…ふざけろっ!放せ…!」
「放さない…!」


ねぇ、カイジさん。



味見しても良いですか
(ね、良いでしょ?)(良いわけあるか!ってこら…っ!)(…予想通り甘いね)



     * * *
拳銃の効果音に悩みました。←
本当はカイジさんがしげる君の髪の毛を拭く設定だったんですけどね、位置的にカイジさんに変わってもらいました。
カイジさんのうなじは絶対セクシーだと信じています。てか美味しそうだよね!
 

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