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□愛情確認
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朝起きたら、口ん中に拳銃突っ込まれてた。



「……んごおっ!!?」
「あ、おはようカイジさん」



寝ぼけてた頭が一気に覚める。
拳銃を手に持っている張本人、しげるはしれっとした顔で俺に挨拶してきた。



「おおおおま、何ひて…っ」
「カイジさんさ、」



ぐっと拳銃を口の奥に追いやる。一瞬吐き気がしたが、大丈夫みたいだ。
てか、どうして俺は朝っぱらから殺されかけてるんだよ…っ。
混乱して汗がだらだら出てきた。



「俺のこと愛してるよね?」



俺は呆れて「はは」と乾いた笑みを浮かべた。
普通口ん中に拳銃突っ込んでまで、そんな質問するか。
なかなか可愛いこと聞いてきやがる。やってることは全然可愛くないけど。



「あ…愛ひてる!」
「ちゃんと言ってよ」
「(拳銃があって上手く喋れねぇんだよ…!)」
「カイジさんは俺のこと愛してないんだ」



しげるを見ると、視線を下に落としてなぜだか悲しそうな表情をしていた。
なんでそんな悲しんでるんだよ!こっちが罪悪感にやられるっつーの!



「カイジさん俺に1回も言ったことないよね…やっぱり愛してくれてないってことでしょ」
「は…!」



突っ込まれている拳銃を無理矢理口から出す。それは案外すんなりと出すことができた。



「なんでそうなるんだ!」
「だってそういうことでしょ」
「誰がそう決めたんだよ!」
「…じゃあちゃんと愛してくれてる?」
「…はあ」



大袈裟にため息を吐いて、しげるの頭に手を載せる。そしてそのまま軽く撫でる。
しげるは吃驚してなのか何も言わない。抵抗もしない。



「…言わなきゃ分かんねぇのかよ」
「うん、全然」
「…っあ、愛してる」
「誰のことを?」
「しげるのことを…っ」



言い終わると同時に、しげるは不安そうな表情を止めた。そして、



「ふーん。知ってるけど」



にやりと笑った。






愛情確認
(カイジさん見てたら普通に分かるけどね)(じゃあ何で言わせるんだよ…っ!!)(カイジさん全然言ってくれないじゃない)


俺だって不安になるからさ、愛情確認だよ




     * * *

スーパー寝起きクオリティ。いつもと変わらない?そっか…。

これはずーっと前落書きで書いたネタ。
多分カイジさんは毎回恥ずかしがって「好き」だの「愛してる」だのは言わないと思う。言えないと思う。
かわいいなあ!←




 

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