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□恋は戦争!
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「こちら零。そちらの状況はどうだ?どうぞ」
『…こちらしげる。今まさにカイジさんと涯が本屋に入ろうとしてる。どうぞ…』
「即刻阻止っ…!!」


空は快晴。風は穏やか。こんな気候はなんといいデート日和なんでしょうか。
けれど俺の想い人…いやマイスイートハニー…いやいや恋人!うんそう恋人の涯くんはカイジさんとお出掛けしています。許すまじ!!
と、言うことで俺はしげると共に2人の後をつけて、さりげなく2人の邪魔をする作戦に出たわけだ。どうして俺が大嫌いなしげると一緒にいるかと言うと、単純に言えばしげるが「行く」と言ったから。そこは俺大人だしね。いないよりはいた方が何かと役に立つしね。

って思った俺がバカでした!


「やっぱり涯くんたちを追跡する役目は俺がやればよかった!なんで遠くから見つめる係りなんだよ!」
『こっちのが面白そうだったから』
「黙ってろっ!」


しげるの声が聞こえてくる携帯電話さえ忌々しい…!
でも今はそんなことより涯くんとカイジさんの間を阻まなくては!全力疾走頑張れ俺!
しかし涯くん達は意外に近くにいた。
本屋の前の通りで本屋の中を見つめてるしげる。もちろん少しは変装させてるからよく見ないと分からない。しげるは俺に気付いたのだろう俺と目を合わせた。


「あらら…どうしたの」
「どうしたのじゃないだろ2人を止めろよ!」
「なんで」
「2人の邪魔をするのがお前の役目だろ!このままじゃ涯くんにカイジさん取られちゃうぞ…!」


ゆっくりとカイジさんを見るしげる。


「カイジさんが幸せならそれで…」
「ダメ…その考えがダメ…!」


俺に視線を戻す。


「そんなことじゃカイジさんは涯くんと結ばれてしまう…!そうしたら俺はどうなる…!?」
「さあね」
「しげるお前はいいかもしれない…でも俺は違うっ!俺は涯くんが他の誰かといちゃいちゃしてるなんて耐えられない…!!」


確かに見てるだけ見守ってるだけってのもいいけど、それじゃ心は満たされない!俺は涯くんを愛して愛されたい!カイジさんと涯くんが結ばれてはいけないと言う最大の理由がこれ!自己中心的な考えだけど、周りを気にしてちゃ恋愛なんて出来るはずがない…!


「そうだろうしげる!」
「カイジさんこの本の煮付け作ってください」
「しげる」
「いたのかお前…!」
「………」


状況説明します。涯くんとカイジさん、料理の本を見定めていた。しげるがそこに突入。俺、放置。
確かに2人の邪魔はしたけども…俺の話全く聞いてなかったぜあいつ。

大きく溜め息を吐く。遠くから涯くんの俺を呼ぶ声が聞こえた。「おい」と一言だけだけれど、俺を呼んでいるに違いない。
声に目を向けると、やはり涯くんが俺を見ていた。


「宇海も…来いよ」
「え…いいの…?」
「お前も一緒に本選んでくれ」
「っうん!」


照れながら目を逸らす涯くんはなんて可愛いんだろう!
涯くん達の位置に走っていくと、カイジさんと戯れているしげると目が合った。
真っ赤な舌を出すしげる。


「これで満足?」
「!」


ぼそりと小さく聞こえた。俺も舌を出して返す。


「一時休戦だばーか!」


空は快晴。風は穏やか。こんな気候はなんといいデート日和なんでしょうか!







(何の話だ?)(涯くん気にしないで!)(ねーこの煮付け作ってくださいよ)(分かった!分かったから離れろしげる!)


あなたのハートも狙い撃ち!





(20100604)


某ボーカロイドの有名な曲を聞きながら、「零としげるなら同盟組むんじゃないか」とか考えてこの結果。でもきっとあいつらなら同盟組んでもすぐ破棄するね。
 

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