SS2

□夢の世界へ、
1ページ/1ページ




ひんやりした掌が額に触れた。
閉じていた瞼を開けば、しげるが俺を見下ろしてた。


「…おー…なにしてんのおまえ…」
「カイジさん、風邪?」
「んあ、引いたっぽいなぁ…」


発熱、気怠さ。昨日辺りからずっとその症状が続いている。
俺は風邪を引いたようだった。
けれど病院に行く金もない。寝てれば治るだろうとずっと布団にもぐっているがあまり効果は見られない。


(むしろ悪化…?)


しげるがふーん、と興味なさそうに言った。


「あー…うつるから、しばらくはうちに来ない方がいいぞ」
「え」
「寝床なら悪ぃけど涯ん家とか」
「やだ」
「は…?」


言うならば、子供がだだこねるような。しげるはそんな表情をしていた。


「やだよ」
「何でだようつるぞおまえばかか」
「カイジさんにばかとか言われたくない」
「失礼な」
「だってカイジさん風邪引いてからずっと寝てるんでしょ?」


まあ…と頷く。
目が霞む。頭痛い。なんか分からんがすごく眠たい。


「このままじゃカイジさん死んじゃうじゃない」


俺やだよ。
ぼやけた視界の中のしげるは心なしか不安そうだった。
ああ、夢か。夢だよな。


(じゃなきゃこいつがこんなかわいらしいこというわけがねぇ…)


「カイジさん死なないで」


夢うつつでそんな言葉を聞いた気がした。







(おい二等辺三角形)(いますぐ来い)(涯とのぷりくらやるから)



(110208)
カイジさんはあんまり風邪引かなそうですが、たまには身体壊しますよね。
最近の男子学生は男だけでもプリクラも撮るんですね。びっくりです。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ