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□愛し方を知らない
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痣が残っただろうな、と思えるくらい、しげるは俺の手首を強く強く掴んだ。
「いっ…!!」
「あぁ、すいません」
「し…ぃっ」
名前を呼ぶことさえままならないほど、俺は麻痺してた。身体的にも、精神的にも。
その原因は考えずとも分かる赤木しげるの、
「カイジさん…大好き」
愛。
「ねぇカイジさんも俺のこと好きでしょ?そうですよね?」
ぶんぶん首を縦に振って、YESを表す。けれどしげるには伝わってないようで。
「ぐ…!!」
13歳の手のひらが俺の首を締め上げた。その手を緩めるように促しても、しげるは聞く耳持たず。ただ俺が苦しくなるばかり。
「どうして答えてくれないの?俺が嫌い?カイジさんは俺のこと好きじゃないの?」
歪んだものを元に戻すのは簡単なことじゃない。それは形あるものもそうだし、気持ちもそうだ。
今のしげるの愛は歪んでいる。それを元の正常な愛に戻す方法を俺は知らない。
「俺はこんなにもあなたが好きなのに…なんで応えてくれないんですか…?」
愛し方を知らない子供は、その愛し方が正しいと信じて一方的に愛を与え続ける。
「か、は…っ」
「なんでどうしてなぜなんですかカイジさん教えてよ…」
「しげ、る」
何が正しくて何が間違ってるかを、知らなかっただけだ。
「どうしたらカイジさんは俺を好きになってくれるんですか…?」
教えなかった俺が悪い…しげるは悪くない…!
意識が朦朧とする中、しげるの涙を見た気がした。
愛し方を知らない
(…カイジさん…?)(………)(……大好き)
少年は、静かに男の首を絞める手を緩めた。少年の鼻をすする音だけが室内に響いていた。
* * *
しげるのヤンデレとか絶対こわい。でもきっと13歳はデリケートな心をしてるんだ。だから我に返って自分を責めるんだ。繊細な13歳可愛いよ!
相変わらず口調が上手に掴めません。お勉強しようかしら。