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□Please tell me.
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いつもと同じ朝食。トーストにサラダに、コーヒー。…の横にピンク色のリボンでラッピングされた箱が置いてあった。
いつものように食卓に着いた銀さんがきょとんとした表情でそれをずっと見つめていた。5分くらい。そろそろ口を出そうか。


「…あの…銀さん。コーヒー冷めちゃいます、よ」
「……森田よ」


ゆっくりと俺を見て、箱を指差した。


「これは何だ?」
「…チョコ、です」


ぼそぼそ答えると、銀さんはフフ…と口角を上げた。


「俺にか?」
「銀さんに…です」
「はは、物好きな奴だな」
「(…知ってるくせに…)」


俺があなたを好きでいること。銀さん、あなたは分かってるでしょう?それでも気づかないふりをするあなたは本当に卑怯だ。

心の中でそう呟いてから、俺は向かいの席に座った。先程から微笑みっぱなしの銀さんは器用にリボンを解いていく。


「手作りか?」
「ええ、一応」
「そうか、そいつはうれしい」
「え…本当ですか…?」
「ああ、うれしい」


ちらちら銀さんを見ながらも、朝食に手をつける。「気にしてる」という様子を見せたくなかった。…まぁ、あんまり意味は無いだろうけど。
銀さんは箱の中からチョコレートを1つ取り出して口に運んだ。そしてチョコレートを噛み締めながら、さらりと俺に言った。


「好きな人からチョコレートを貰うのは、誰だってうれしいだろ?」


思わずコーヒーを噴出しそうになった。熱かったからか、それとも銀さんの言葉の意味を都合よく捉えてしまったからか。


「(好きな人…って、)」


期待しても、いいのかな。
体が火照っていくのが、すぐに分かった。
そんなことも知らずに銀さんはチョコレートを食べ進めていた。


「ふー…うまかったよ。ありがとな、森田」
「え、あ、いえ…」
「ん?どうした?」
「え…っ」


チョコレートを食べ終えた銀さんはテーブルの上に箱を置いてから、身を乗り出して俺に顔を近づけてきた。
さっきの言葉だけでも緊張したのに、もっと緊張して自然と体が固まった。


「ん?」
「な、なんでもないです…!」
「…森田よ、今みたいな時に嘘は吐くべきじゃない」
「え!?あ…っと…」
「何が言いたいんだ…?」


…頬に手を添えられたら、何も言えないよ。


「…っ…」
「……ははは!」
「え、銀さん…?」


銀さんは急に離れて、座り直した。


「悪いな、なんだか森田を見てるといじめたくなっちまう」
「…いえ」
「まぁ怒るな。好きな奴ほどいじめたいってよく言うだろ?」
「!」


ああ、もう……!


「銀さん!」


俺、あなたが分かりません。





Please tell me.
あなたは俺のこと、どう思ってるんですか?






 

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