YUME

□しんぞうがふたつ
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君の胸に手を押し付けて、その音を感じた。
とくんとくん、とリズムよく鼓動の音が伝わってくる。

ああ、生きてる。この男は生きてるんだ。

不意に私の顔に笑顔がこぼれて、君はは不思議そうに言った。


「なに」
「え?」
「いきなりなんなの」


突然胸を触られて、そりゃいい気もしないだろう。
けれど私は手を離さなかった。
まだ君のしんぞうの音を感じていたいから。


「動いてるね」
「当たり前じゃない」
「生きてるね」
「…生きてるよ」


ねえ、ギャンブルするななんて言わないよ。だけどもっと自分を大切にしてよ。
どうして君はいつも命を賭けてまで勝負するの?命は1つしかないんだよ?


「だからこそ…命の価値も高いでしょ」


君はニッと笑うけど私は笑えない。たとえ私がぼろぼろ涙を流しても君はきっと変わることはないだろう。
だから、泣くな。泣くな。

ねえ、君は1人しかいないんだよ?


「……すき」










2人で生きていこうよ





(100915)


誰かが悲しんだとしても多分しげるは命を賭けて勝負することを止めないと思う。





 

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