銀魂

□素直じゃないのはお互い様
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今日はこの冬もっとも積雪量が多く寒い一日になるとか何とかお天気お姉さんが言ってたっけと思いつつざくざくざくざく踏みしめ歩きながら塀の上に積もった雪を少しずつ少しずつ素手で丸めてとりあえず俺を置いて目の前を歩く不親切な男の後頭部目掛けて投げた。
ごすとか思いの外痛そうな音と痛い目線を寄越してざくざくざく来た道を戻って同じ様に塀の上の雪をかき集めて丸めて至近距離からぶつけてくる。

がすって痛いな冷たいじゃないか鼻が赤くなったよどうしてくれんだよ

また歩き出したその背に今度は連続で雪玉を投げながら文句を言えばたった一言、

「元からだろ」

なんだよその言い草てか何が元からなんだよ冷たさか?鼻が赤いことか?答えろよ馬鹿。
もういいよ馬鹿杉お前なんて雪玉に埋もれて埋まって泣き叫んで俺を呼ぶがいいさ馬鹿。
かき集めて丸めてまたかき集めて丸めてさぁよぉく狙えお馬鹿な男は目の前だ。

「…いい加減にしろよ」

あららご立腹のようででも怖くなんかないよお前なんて雪玉で頭冷やしてから己の日頃の行いを見直…

「手ェ焼けっぞ」

焼ける?あぁ霜焼けねあれはやだねかゆくてかゆくて皮膚が捲れるまで掻くもん。

「馬鹿だろお前」

馬鹿言うな馬鹿はお前だお前だって素手のくせに雪で濡れた俺の冷たい手なんか握って温めてもすぐ冷めるしお前の手だって焼けるよ霜焼けになるよ。

「餓鬼かよ、てめぇは」

餓鬼はお前ね俺じゃないよ俺は大人なのお前が寂しい寂しいって言うから俺がずっと傍にいてやんの誰かに言われたからじゃなく俺が俺の意思でお前の傍にいるって決めたんだからな。
それ以上吐息かけんな手ェ握るな手がむずむずしてきた焼けてるよ霜焼けになってるよ。

「帰るぞ」

だから手ェ離せってもういいよ冷たくないし寒くないしかゆくもないよだから手離してよ。


「傍にいてやっから泣くな」
「…泣いてねぇよ、馬鹿」









素直じゃないのはお互い様。
(傍にいてよ)(あぁいてやるさ)
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