【No Title】

【入学編】入学式にて
3ページ/5ページ




入学式後





入学式が終わり、クラスで少し挨拶や今後のオリエンテーションを経たら本日は自由行動となる

殆どはそのまま帰宅するが、一部の生徒は部活動見学など行動する生徒もいる



「日吉、この後部活顔出しに行く?」



幼稚舎の頃から、入学したらテニス部に入ると決めていた2人は
入学式後に見学に行く数少ない生徒に入っていた

まだ幼稚舎の面影を残す銀髪の男の子、鳳は

隣にいる明るめの錦糸のような髪を持つ日吉と共に
待ちに待った部活動への興奮を共有したがっているようだ



「ああ、氷帝学園のテニス部は完全実力主義らしい
早く練習に参加して強くなって、正レギュラーになってやる」



日吉も顔にはあまり出ていないが
同様に興奮しているようでその闘志を瞳に宿し、俄然やる気に満ちている

そこでふと、鳳が日吉の奥側に目立つ女の子を発見して
そういえば・・・と朝に聞いた噂を思い出した



「ねえ、日吉
例の噂の子ってあの子のことじゃないかな?」



近くにいた琥珀の髪色、目の色や背丈から
ほぼ確信に近い推測を立て、噂の話題を日吉に振った

日吉は何のことか分からないというように怪訝そうな顔をしつつも
鳳の目線の先に視線を滑らせ該当人物を確認する



「珍しい髪と目の色だな、それで噂が立っているのか?」



鳳は日吉の怪訝そうな表情を見てようやく彼が噂を聞いていないことを悟った



「あれ、日吉もしかして噂知らない?
銀髪青眼の超美人なモデルみたいな子がいたって
朝から学校中で噂になってるらしいよ」



日吉は噂の内容を聞き、納得、というような表情をする



「(まあ、確かに整った顔立ちしてるな
薄い髪色、青い目といえばあのテニス部部長も似たり寄ったりだが
この学校海外から来るやつが多いのか?)」



氷帝学園は日本有数の名門校であるため、生徒数が非常に多い

中にはハーフや、海外の血が混じっている生徒も複数人いてもおかしくないのだろう
という考えに至る
(それでも青い目なのは話題の1人と生徒会長くらいだが)



「まあ、噂なんてどうでもいい
早くテニス部に入部して正レギュラーの座を勝ち取ってやる」



鳳の方もテニス部の単語に反応してまた気持ちが高揚したようで

放課後が酷く待ち遠しい様子を隠しきれないようだ



「一緒にレギュラー目指そうね!日吉!」

「フン、先にレギュラーになって待っててやるよ」



ずるいなぁ、などと2人は軽口を叩きながら早足で教室に戻るのだった





次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ