02/04の日記

00:53
鉢+♀雷
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暗闇の中で、目が覚めた。
僕はベッドの中ただただ天井をみつめていた。

真っ暗な部屋に、外からの光がぼんやりと差し込んで、、遠くでサイレンの音が聴こえる。

暗闇の中、段々と目が慣れてきて、周りがぼんやりとグレーに浮かび上がる。

ラックの上のオルゴール、、写真立てに、飲みかけのペットボトル。

そしてふと、三郎の顔が頭に浮かんだ。

きっとこんな真夜中に目が覚めたのもたぶん・・。いや、絶対にアイツのせいに違いない!!

僕は今日。・・と言ってもう日付が過ぎてるから昨日の事だ、三郎へと怒りをぶつけてしまったのだ。
元々はアイツが悪い、、。そう、アイツがいけないんだ。

アイツは僕の気持ちを試すかのように、時々別の女の子と親しげに言葉を交わし、、さりげなく親密に寄り添い、、僕には決して見せない“表情(カオ)”を僕以外の女の子へと向けるのだ。

どうして、三郎はあんな事をするのだろう、、。

どうして三郎は、、どうしてどうして・・・・。

僕の気持ちを、想いを、、疑っているのだろうか?



・・・・・いつもならばヤキモキしている僕に気づいた三郎が、さも嬉しそうに近寄って「雷蔵が一番好きに決まってるじゃあないか」と痛いぐらいのハグをして、ハッピーエンド、、と。それがお約束だった。

けれど今日の僕は見て見ぬ振りをしてその場を立ち去った。

(―――馬鹿らしい。)どうして僕ばかりがアイツに振り回されなきゃいけないんだろうと、。


「・・・・っつ、、」


思い返して、涙がこぼれた。冬の冷たい空気がこの部屋を、僕を、芯から凍らせる。
僕のこの心がパキパキに凍って割れてしまえば、三郎に振り回される事無く楽になれるのだろうか。


あの後、僕を走って追っかけてきた三郎はひどくうろたえていた。
―-―どうしたんだい雷蔵、、あんなのいつもの事じゃないか、、。―― そう言いたい事はすべてアイツの不安げに揺れる瞳が物語っていた。

いつもの事。そう、いつもの事が僕にはもう我慢できなかった。

僕が持つ三郎への大切にしている想いを、卑怯な手で確認しようとするその行為が、、。

だから僕はありったけの力を込めて、三郎の右頬をビンタしその場から立ち去ったのである。





・・・・・何度思い返しても、悔しくて悲しくて腹立たしい。
三郎とはもう、終わりになるのだろうか、、とゴロリ寝返りを打った。
寝返りを打った枕元の側には僕の携帯電話がチカチカと着信を知らせるランプを光らしていた。

「(ああ、忘れてた。あれから何度も鳴る着信音が煩わしくてマナーモードにしていたんだっけ・・)」

手にとって、その着信表示を確認して驚いた。


「・・・・・本当、馬鹿、、。」


三桁を超える着信跡に、心底呆れた。

一番最新の着歴を見ればほんの一分前だ、、。もう真夜中だというのに一体いつまで起きてるつもりなのだろうかこの間抜けは・・。

そして、また新たに着信がやってきた。
マナーモードの為に音も振動もしないけど、画面が明るく照らされて【鉢屋三郎】の文字が現われた。


さっきまでの凍りつきそうな気持ちが、どんどん溶け出していく。


―――さて、どうやって僕の機嫌を治そうとするのだろう?

三郎の奮起する様子を思い浮かべながら、僕は通話ボタンに指を乗せた。








(どうしようもない三郎と、ブルーなにょ雷たん)

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