02/08の日記
01:02
♀鉢→♀雷
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三郎の幼馴染の雷蔵は甘い砂糖菓子のような女の子だ。
甘いキャラメル色したふわふわしたロングウェーブの髪は毎朝三郎がセットをしてあげるし、ふっくらとした唇に似合うグロスの色は季節ごとに三郎が選びあげて、、
いつだってぴかぴかの桜貝みたいな爪先は昼休み時間を使って三郎が丁寧にヤスリで磨きあげるのだ。
三郎曰く、「私の大事な大事な雷蔵は私が可愛く管理してあげなきゃ駄目なのさ。」という事らしい。
「・・・三郎ってば、どうして僕にこんなに手をかけるのさ、、。僕より自分に手をかけなよ?」
「だって、雷蔵は私のお姫様だもの。」
「三郎だって・・、、女の子なんだから。」
「私は女だけど“お姫様”になりたくないよ、、。雷蔵の王子様でいたいんだ。」
毎週末の恒例お泊り会はいつだって三郎が一人で住むマンションだった。
部屋に入ってすぐに三郎によって窮屈な制服をさっさと剥ぎ取られた雷蔵は、今や艶かしい下着姿でベッドの上でゴロリと寝転んでいる。
三郎は二人きりになるとすぐに雷蔵を暴きたがる。
自分の知らない“傷”や“跡”、、誰かが知らぬ間に雷蔵に手を出していないかを徹底的に調べ上げる。
「・・・三郎、寒い。もぉ服・・着ていい??」
「まだ駄目。エアコン入れたからすぐあったまるよ、。」
「ん・・・、、。」
ふるりと肌を震わせる雷蔵に、三郎が目を細ませながら肌をゆっくりとなぜていく。
雷蔵はそれがとても苦手に思っていた。だって三郎の手の平はとても冷たいのだ、、。
夏ならまだいいがこんな冬の季節はたまったもんじゃあない。部屋の温度もまだ低いのに彼女の手の平は遠慮なく自分の身体を這い回るのだから。
「・・・・雷蔵、今週も“大丈夫”だったね。」
ひとしきり確認を終えた三郎は、それはそれは美しい微笑みで雷蔵に“合格”を言い渡し、前もって用意していた雷蔵の部屋着を手ずから着せてあげるのだ。
「うん・・・、、。」
三郎に言われるままに雷蔵は部屋着の白いワンピースに袖を通した後、胸元のボタンを留めていく三郎の長くて細い指先を見つめていた。
―-―三郎は、以前に雷蔵に“抱きたい”と言ってきた。
言葉の意味はすぐに理解ができた。
けれど雷蔵は同性である三郎とそういうコトができるのか判らなかったし、出来たとしてもしたいとも思わなかったのでやんわりと断った。
三郎は雷蔵が欲しいと言う。
雷蔵は三郎の物にはなれないと返した。
三郎は散々泣いた。泣いて泣いて、、雷蔵をぎゅうぎゅうに抱きしめてずっと泣いていた。
雷蔵はその間ずっと三郎の流れる涙を見つめていた。
あんまりにも三郎が泣き続けるものだから雷蔵は三郎が可哀相になり、、
「―――三郎、三郎、、。僕はお前とSEXをしたいとは思えないけど、僕は今は誰よりも三郎がいっとうに大事な存在だ。
・・・だから、お前が僕を望むなら、僕は僕の許せる範囲までお前を受け入れてあげる。」
とうとう、折れてしまったのだ。
それからというもの三郎は雷蔵を大事に大事に“手をかけて”いる、のだった。
元々、三郎に甘い雷蔵はあっという間にほとんどの三郎の要求を呑んでしまっていた。そのせいで何時の間にやら雷蔵の全てを管理したがる【結果】になってしまったが、、、
プチン、、。ワンピースの最後のボタンが留められるのを見終え、雷蔵が視線を上げるとすぐに三郎と目が合った。
ニヤリと笑う唇がさっと近づいて雷蔵の唇と触れ、軽やかなリップ音を奏でた。
「じゃあ、一緒に夕飯を作ろうか。」
何事もなかったかのように三郎は雷蔵の手を取り、キッチンへと向かう。
――そう、キスも既に何回もしている。今更、、だ。
一緒にお風呂も入って肌を見せ合うし、一緒のベッドで眠りあう。
時々、、ギリギリの線まで身体に触れられるのも雷蔵は許してあげている。
けれどもやはり二人は“特別”にはなれないのだ。
今夜もきっと三郎はギリギリまでしか許してくれない雷蔵に「やっぱり雷蔵が全部欲しい」と泣きつくのは間違いないのだった。
(ハッピーエンドは未定な百合鉢雷)
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