03/01の日記

01:07
学級委員長委員会→雷
---------------


ようやく一日の授業が終り放課後も少し過ぎた頃『学級委員長委員会』の部屋の前で、一年生の学級委員長委員会の委員である庄左ヱ門と彦四郎の二人は驚きに固まった。
部屋の中では五年生の学級委員長委員会委員である尾浜勘右衛門が、同じく五年生の学級委員長委員会委員である鉢屋三郎の膝の上に頭を乗せーーー、、

そう、所謂『膝枕』をしてもらっていたのだ。

その『鉢屋三郎』は戸口につったたままの二人に気付くと、「やあ、お邪魔してるよ、、。」と、ほんわりとした笑顔を浮かべた。
その瞬間、、目の前の人物が自分がよく知る『鉢屋三郎』ではなく、『不破雷蔵』だと。庄左ヱ門は理解した。





「―――やだなぁ、、庄左ヱ門も彦四郎も。
俺が三郎なんかに膝枕してもらうわけ無いじゃん!!想像しただけで気っ持ち悪い!!!」

雷蔵に膝枕されたまま、勘右衛門は二人にうげー、、とベロを出して不快感を表した。


「・・・で、尾浜先輩、何故此方に不破先輩がいらっしゃるのですか??」

「どうして不破先輩は尾浜先輩に膝枕をされてらっしゃるのですか??」


彦四郎と庄左ヱ門は素直に二人へとこの状況を尋ねた。先に、答えたのは雷蔵の方だった。


「―――三郎がね、どうも委員会の仕事をサボってばかりみたいだと聞いたんだ。それで今日、確かめに来たらその通りみたいで・・」

「んで、三郎の分までいっぱい仕事をして疲れてる俺に、雷蔵が“何か手伝いをさせて”って言うから手伝ってもらう代わりに膝枕をねだったって訳♪」


雷蔵の説明の途中で勘右衛門が口を挟み、ことのあらましを一気に話終えた。どうやら、面倒くさい説明を終えてこの状況をまったりと味わいたいようだ。


庄左ヱ門はその様子をじっ、、と静かに見詰ていた。
彦四郎はあまり雷蔵とは面識が無いものだから、何だか緊張しているみたいでおろおろと視線を泳がせていた。

二人の身近な先輩である“鉢屋三郎”は目の前の“不破雷蔵”の姿をいつも真似てはいるが、二人にとっては三郎との方が接している時間が多く、、
むしろ二人にとって雷蔵は『鉢屋先輩と“同じ姿”をしてる人』になるのだ。


そんな二人の心情が分かるようで、雷蔵はクスクス、、と笑みを零した。

雷蔵のふんわりとした優しい笑い方に、庄左ヱ門と彦四郎の二人は無意識に頬を染めた。

雷蔵のその笑みを浮かべる表情は三郎とは全く違うものだった。

二人同じ顔だとしても実際は全く別の人間だと。
目の前の人は“不破雷蔵”なのだと、はっきりと違いを認知する事ができた。

この短時間の内に一年生二人にきゅうん、、とときめかれてるのも知らずに雷蔵は、自分の隣に置いていた小さな包みを二人へと差し出した。


「はい、これ。君たち二人にも。いつも三郎が迷惑かけてすまないね。」

ちょっぴりと眉をハの字にして、申し訳なさそうに雷蔵が二人の前にそれを置いてくれた。

「あ、こ、これって・・?」

ハッと正気に戻った彦四郎が目の前の包みと雷蔵を交互に見やる。その頬は未だ桃色に色づいている。


「―――彦四郎、、ほら。お饅頭だよ。不破先輩ありがとうございます。」


さっさと中身を開けた庄左ヱ門は彦四郎に自分の包みの中を見せると、そのまま雷蔵へと視線を移しペコリと頭を下げた。
彦四郎も慌てて雷蔵に礼を述べ、頭を下げた。

その様子も雷蔵はニコニコと優しげに見詰ていた。
雷蔵の柔らかな眼差しがどうも気恥ずかしいのか、彦四郎は「ぼ、僕お茶を入れてきますっ・・!!」とバタバタと部屋を出て行ってしまった。


「おーい、あわてる子供は廊下で転ぶよ〜!!」と、勘右衛門が声を投げたが、果たして届いてるかは分からない。

「あーあ、、彦四郎のヤツ大丈夫かな・・、、」

彦四郎の見事な青っぷりに苦笑いをしている勘右衛門へと、庄左ヱ門がまた静かに、けれど力強く視線を送っていた。


「・・・・ん?何だ?庄左ヱ門。」

「あの、尾浜先輩も不破先輩からお饅頭を頂いたのですか?」

「ああ、もらったよー。先に食べた。な、雷蔵。」

「うん。庄左ヱ門達にあげたのと同じだよ?どうかしたのかい?」

コクリと首をかしげる雷蔵と、今も雷蔵の膝の上に頭を乗せたままの勘右衛門は庄左ヱ門の質問の意味が汲めず目をパチクリさせた。



――――しかし、次の庄左ヱ門の言葉に雷蔵も目をパチクリさせる事になった。



「じゃあ雷蔵先輩、次は僕に膝枕してください。じゃないと平等ではないと思います!!」

ピシっと片手を上げ、そう意見する庄左ヱ門はいつもの冷静さに、ちょぴっとだけ興奮を滲ませていた。





――――程なくして四人分のお茶を持ってきた彦四郎が、雷蔵の膝に真剣な面持ちで頭を乗せている庄左ヱ門を見てお茶をひっくり返しそうになるのだった。

そして彼も勿論雷蔵の膝枕を所望するのだった。





(学級委員長委員会→→(愛されてます)雷蔵先輩)
(人・w・)雷蔵たんの膝枕はふわっふわですよ〜♪
その後、至宝の膝枕が皆に振舞われた事に三郎は(◎д◎)ってなります(笑)。

雷蔵たんに慣れてない、もじもじな彦四郎が書きたかったの・・・vv

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ