06/05の日記
00:08
鉢→♀雷と五年ズ
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*小学生設定です。(五年生くらい)
六月は衣替えもあり、しばらくすればプールの授業も始まる楽しい“夏”の季節の訪れでもある。
この大川小学校はそれに伴い【裸足習慣】なるものも含まれる。
【裸足習慣】とは、体育の授業に休み時間の外遊びと、校庭では靴を履かず裸足で過ごしましょう。という恒例の事項であった。
そんな【裸足習慣】を前に、本日は六時間目をフルに使って全校生徒で校庭の小石やゴミ拾いが行われていた。
「おっほー!!カナブン捕まえた!!」
小石拾いに飽き飽きしていた八左ヱ門は今や虫取りに夢中になっていた。
拾った小石を入れるはずのバケツにはカマキリが三匹とバッタが五匹、、ダンゴ虫が大小合わせて十匹入っていた。
「ハチ、カマキリがバッタ喰ってるよ。」
「え?まじ??!!バッタは逃がしておくか!!」
そーれ、、と友人の勘右衛門と共にバッタを草むらに放してやった。
「それじゃあマルバツゲームしようぜ!!」と、小枝を使って地面に縦線と横線を引き始める。
この二人の頭の中には真面目に小石を拾う気はなく、遊ぶことばかりのようだった。
「―――おいっ!!お前らちゃんと真面目に拾えっっつ!!!」
先行を決める為にジャンケンをし始めていた二人の前にバケツに半分以上小石を携えた三郎が現われ、八左ヱ門と勘右衛門の二人を怒鳴りつけた。
「何だよー、三郎。いいじゃん、他がいっぱい拾ってるんだし俺らが頑張んなくても大丈夫だって、、」
「そーそー、、もー、じゅーぶんだよ、十分!!」
「いいからちゃんと拾え!!サボってる事を木下先生に言いつけるぞ!!」
二人を叱責した三郎はまたズンズンと広い校庭へ戻って行き、せっせと小石拾いを再開し始めた。
何だか今日の三郎は気迫めいたものを感じる。
「・・・なんか今日の三郎ってばイヤに真面目だな。」
「いつもなら俺らと一緒にサボる側なのになー・・。」
そう不可思議にぼやく八左ヱ門と勘右衛門に、今度は兵助が近づいてきた。
どうやら今のやり取りを見ていたらしい。
「二人とも三郎にハッパかけられたろう?」
「ああ、うん。なんで三郎あんなんなってんだ?」
「やっぱりハチも勘ちゃんも知らないのか?」
「「何が?」」
「・・ほら、あの子。隣のクラスの不破さん。」
兵助の指差した先には、隣のクラスの“不破さん”がいた。
亜麻色のフワフワとしたポニーテールを持つ、おっとりとした性格の笑顔の愛らしい少女だ。
「不破さんて三郎の幼馴染みなんだよ。
でもって、去年の裸足習慣始まってすぐに尖った小石踏んで、足の裏怪我したみたいで。」
「怪我・・・・。」
「・・・・・。」
「だから今年は三郎のヤツ、絶対に取り逃しの無い様に必死で小石拾いしてるんだよ。」
兵助のその話を聞いて、改めて三郎を見やった。
先ほどは気付かなかったが、三郎の姿は同じ体操服姿でもその下、、足は裸足だ。
「あのほうが踏んづけた小石の痛さが判るからって、三郎のヤツ率先して裸足になってるという訳。」
「・・・・・“愛”だな。」
「・・・・・“愛”、、だねぇ。」
いつもクールぶったスカしてる友人の、何とも熱い一面を見せられて八左ヱ門と勘右衛門の二人にも形容しがたい何かが胸の奥からこみ上げてきた。
「・・・・あーーーーー、よっし!!やるかっつ!!」
「本気出して頑張ってみちゃう??」
意気揚々と立ち上がった二人は迷うことなくシューズと靴下を脱ぎ、、三郎めがけて走り向かった。
ワーワー、ギャーギャーとしている三人の様子に兵助は苦笑いしつつ八左ヱ門の残していったバケツの中の虫達を解放し終わると、
あの二人と同じように靴下とシューズをとっぱらい、空のバケツを抱えて三人の元へ向かうのだった。
先程と打って変わってやる気になってる二人に「何なんだお前ら?!」と戸惑う三郎に、竹谷が大笑いしながら「友情パワー!!」と叫ぶ声が校庭に響いていた。
(友情パワーな五年ズ)
(・w・)もっと雷ちゃんにスポット当てたかった(笑)
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